霧ヶ峰 車山 八島湿原 トレッキング

霧ヶ峰から車山、そこから八島湿原を歩いてきた。

このあたりは北の美ヶ原とともに、本州の中央高地の一角で、

登山というより高原のトレッキングという感じのルート。

霧ヶ峰自然保護センターの駐車場に車を停め、高原状のなだらかな尾根を車山へ登る。

カッコウの声がよく聞こえ、レンゲツツジの橙色の花が綺麗である。

それにしても梅雨の晴れ間というのか、梅雨がどこかに行ってしまったというのか、

暑い(^^;


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     霧ヶ峰から車山へ
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 レンゲツツジが咲いてる

車山肩に45分ほどで着き、そこから気象観測ドームの見える車山へ。

高原からの眺めは良くて歩いていて気分がいい。

車山の頂上は反対側のスキー場のリフトを使って登ってくる観光客が大勢いるので、

写真だけ撮って八島湿原方面への道に進む。

蝶々深山との鞍部にある車山湿原はコバイケイソウの白い花が沢山咲いていて綺麗だ。

ここもカッコウの啼き声がよく聞こえた。

蝶々深山に軽く登り直し、そこから物見岩、八島湿原がよく見え、のんびり昼飯でも

食べるのにいいところだ。


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 車山肩から車山
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 車山山頂
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 車山から蝶々深山
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 物見岩と八島湿原

鳥の囀りを聞きながら八島湿原に下り、湿原の縁を歩いて霧ヶ峰に戻る。

八島湿原沿いの道を歩いていたとき、向こう右側に見える山の斜面に、

なにか人工的なものを感じるなと気になって、写真を撮った。

あとで調べてみたら、旧御射山遺跡という鎌倉時代に信濃・甲斐・関東の武士が

集まり諏訪大明神に奉納する笠懸、相撲、武者競馬などの試合をした場所らしい。

多いときは十万人の人が集まったらしく、鎌倉時代のオリンピア競技みたいな

もんだったんだろうか。

このあと、少し登り返す感じで霧ヶ峰自然保護センターの駐車場に戻った。

行動時間は4時間45分。

ピークを目指さず、高原をこんなふうにトレッキングするのも楽しい。

少し遅い昼食を摂って今日の泊まりの石和温泉に向かった。


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 八島湿原

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 八島湿原から霧ヶ峰へ
 右の森が途中で切れている山、左側の草の斜面に微かな段状の跡がある、
 というか、そういう感じがしたので写真を撮った。そこが旧御射山遺跡。

ザイル祭

忙しくてしばらくブログが書けなかった。

先週のことだが、山岳会のザイル祭に行ってきた。

かつては裏丹沢の神の川ヒュッテでやっていて、

年に一度、山岳会の現役とOBが集まって宴会をし、飲んだ次の日は近くにある

山の神に行って一年の山行の無事を祈った。

神の川ヒュッテが経営者が変わったりして使いにくくなり、

その後幾つかのところを転々として、数年前から表丹沢の登山口大倉の

どんぐり山荘で開くようになった。

近くに高速のスマートインターが出来て、家から1時間で行けるので便利である。

夕方、三々五々集まって宴会開始。

懐かしい山談義に花が咲く。なんでも8月あたり現役が知床岬に行くらしい。

羅臼の先の相泊から海岸沿いに歩いていくのだが、しっかりした道があるわけではなく、

潮が引いたときに浅瀬を突破したり、海岸の崖を高巻いたりして、

二泊か三泊くらいで行けるんじゃなかろうか。

ヒグマの生息地帯なのでそれだけはくれぐれも注意しなければならない。

ただ、登山者のテントを揺らしたりということはあったらしいが、

食われた人は今のところはいないらしい。

知床岬はかつて自分も行こうとしたことがある。

GWの時期、残雪を利用して羅臼岳から知床岬まで歩けないかと思ったのだが、

知床岬から再び登り返して戻らないといけないので日程的に無理で、天候もあって、

結局、羅臼岳に登り、そこから岬に続く稜線をサシルイ岳へ歩いただけで帰ってきた。

羅臼平にテントを張ったがGWの知床は本州の厳冬期と変わらなかった。

あのとき、羅臼岳の頂上から見たオホーツク海の青い海原は今でも目に浮かぶ。

それはそれとして、今回、わざわざ九州から来たOBがいるのだが、

彼が今回来ていない別のOBと会いたいということで電話して、

明日、横浜で飲もうという話になった。

マジかよ…(^^;

今夜、ザイル祭で飲んで泊まって、明日の日曜、家に帰ってからまた横浜で

集まって飲もうと…?

なぜか自分も行くことになり、翌日ザイル祭が終わって家に帰ってから再び横浜の野毛へ。

桜木町で待ち合わせしていると、昨日来られなかったOBが来た。

20数年振りかな

実は、彼には会って謝りたいことがあったのだ。

会のなかで意見が対立したことがあり、そのとき妙に熱くなって言い合ってしまった。

それ以来、彼は会に出てこなくなった。

そのときのことを「あの時はすまなかった」と一言謝ると彼は笑ってこたえてくれた。

心にひっかかっていたことは20数年経っているからといってそのままにしたくない。

彼と和解できて良かった。

その夜は若いころ山岳会の集会のあとで飲み歩いた野毛で楽しく飲んで過ごした。

二日間、山の仲間と飲み過ごした週末だった。しばらく休肝しよう(^^;;

 

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 大倉のどんぐり山荘

 

乗鞍岳

乗鞍岳に行ってきた。

積雪期は若い頃にスキーを担いで頂上まで行き、滑り降りてきたことがある。

日本の山が一番きれいな残雪期。最後の残雪を追っかけて行ってきた。

家を早朝4時に出て4時間半で乗鞍スカイラインのほおのき平バスターミナルに着く。

そこから畳平へ。855分のバスに間に合った。

最初、天気がイマイチだったが、登るにつれて段々天気が良くなり、

車窓から穂高のあたりが見えるようになってきた。

畳平は子供達が小さい頃に連れて登りに来て以来で久しぶりである。

確かあちらの方が登山道だったなという程度の感じで歩き始める。

肩の小屋への道は途中から残雪に埋まっていて、ハイキングらしい人たちは

そこで諦めていた。我々は残雪の斜面をそのまま進み、肩の小屋から頂上へ向かう。

もう5月も中旬過ぎなので残雪も少なくなってきているが、それでも残雪の照り返しで

サングラスをしていないと目が眩しい。

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  ほおの木平のバスターミナル
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 畳平を振り返る
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 肩の小屋への道は途中から残雪
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 肩の小屋
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 頂上へ残雪の斜面を登る

頂上に近づいたあたりでカエルが鳴くような声が聞こえた。

「カエルか?」と言って振り向いたら後ろにいた登山者が「雷鳥です」と教えてくれた。

3000mの残雪の山にカエルがいるわけはないので、アホな奴だと思っただろう(^^;

畳平から1時間35分で頂上着。

鳥居をくぐり乗鞍神社で手を合わせ、周囲の山々を眺める。

頂上直下のドラゴンアイくずれのような池の向こうには白山が見える。

ぐるりと見まわすと雪の多い笠ヶ岳、その隣に穂高の吊り尾根。

南の方にあるのは御岳である。

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 頂上はすぐそこ。雷鳥の鳴き声が聞こえたのはこの辺り
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 頂上
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 ドラゴンアイくずれのような池と遠く向こうに白山
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 笠ヶ岳と右に穂高の吊り尾根

明日からは天気が悪そうで、ちょうどいいタイミングで登ることが出来た。

しばらく3000mの風景を楽しんでから下山。

その日は平湯温泉で泊まり、

翌日、岐阜城に立ち寄り、

ミズキ、ニセアカシア、トチノキ、朴の木の咲く5月の森を眺めながら横浜に帰った。

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  山の上に見えるのが岐阜城

 

日光白根山

ゴールデンウィーク前半、日光白根山に行ってきた。
丸沼高原スキー場のロープウェイで山頂駅へ。
天気が良くて正面に白根山がでんと聳えている。
鳥居をくぐって10時に出発、樹林のなかの雪道を登る。
白根山の山腹を右へ右へ巻いてゆくような感じで何度も雪の沢を横断する。
何回目かの沢の横断のとき、視野の端に黒いものがふっとあらわれた。
そちらに顔を向けて足を止めた次の瞬間、目の前30㎝くらいのところを拳大の石が
ビュッーと落ちてゆき、下の斜面にぶつかり大きな音をたてて転がっていった。
落ちてきたときはまったく音がしなかった。
休憩を終え歩き始めてしばらくのことだったので、
あと数秒早く休憩を切り上げていたら頭を直撃していたのかもしれない。
落ちてくるときに音がすればわかるのだが、音もなく落ちて来る落石は怖い。
そのあとは沢を横断する度に沢の上の様子を窺い足早に渡った。

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    ロープウェイから日光白根山

そうやって登り続け、山腹のトラバースから直上にルートが変わってしばらくすると
森林限界を越え、頂上直下の雪の斜面が見えてくる。
それを越えて雪の消えたところを少し行けば白根山火口の奥白根神社のピークに出る。
ここまで2時間半。
それほど大きくはない火口の向こう側に岩のごつごつした2578mの山頂がある。
奥白根神社のピークからは10分かかるかかからないかである。
実は、今回の登山の数日前から腰が痛くなっていた。
幸い行動中は腰に違和感は感じなかったが、それを気にしながらの登山。
それともうひと気にしていたのはロープウェイの終了時間16時。
ロープウェイが終わってしまうと直線のロープウエェイで15分くらいかかるところを
1時間以上かけて歩いて降りなければならない。
今日の泊まりは関越トンネルの向こうの越後湯沢、あまり遅くなるのは嫌なのだ。
10時スタートだったので、登り3時間でタイムアップにしようと思っていた。
通常、登り3時間のところを下るのに3時間はかからないが、
痛い腰で下山に時間がかかればロープウェイの最終に間に合わなくなるかもしれない。
あと10分で山頂に行き昼飯を食っていると3時間を過ぎる。
先に山頂に行っていた息子に手を振って戻って来いと合図して、戻ってきた息子と
あんぱん一個で昼飯を済ませて下山をはじめた。
ま、白根山の山頂は冬に二回行っているのでそれほど執着もなく、白根山は初めての
息子が登ったことでよしとした。

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 山頂下の雪の斜面
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 奥白根神社のピーク
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 ピークから男体山と中禅寺湖

下山は教科書通りにアイゼンを着けて雪の斜面を下る他の登山者を横目に、
アイゼンなしのキックステップでしゃかしゃかと降りて思ったよりスムーズだった。
幸い腰が痛くなることもなく1時間半で山頂駅に着いた。
結果としては腰もロープウェイの最終時間も余計な心配だったわけで、
下山してから、あと10分なら山頂まで行けばよかったかなとか、
考えて由無いことを考えるわけだが、ま、仕方ない(^^;
その腰痛だが、行動中は大丈夫だったのだが、下山後かなり痛くなり、
このブログを書いている今も痛い。明日あたり医者に行ってこようと思っている(^^;;
下山後は桜満開の沼田からやはり桜満開の越後湯沢へ。
温泉で腰を温め、夜は居酒屋で美味しい日本酒を楽しんだ。

赤城山

赤城山、群馬のほぼ真ん中にある古い火山である。
カルデラ湖の大沼を囲む外輪山の一番高いところが黒檜山で、
そこが赤城山の頂上ということになっている。
なっている、というのは外輪山のような山でどこが頂上かとかあまり意味がない
ような気がするわけで、外輪山全体が赤城山という山なんだろうなと思うわけである。
確定申告の中休みということで軽い冬山登山に出かけてきた。
が、東名で渋滞に巻き込まれた。
予定では黒檜山から駒ヶ岳へ縦走して降りてくるつもりだったのだが、
登山口に着いたのが11時15分。
時間が遅いので黒檜山だけのピストンに変更。支度をしてすぐに出発。
今年は雪が多そうだが、先行のパーティーがいて結構トレースがついているよう
なのでワカンは使わずアイゼンだけ持ってゆく。
登山口から急登が続く。ぜいぜい言いながら登り続けると氷結した大沼が見える。
てんてんとワカサギ釣りをしている人がいる。
さらに登ると駒ヶ岳へ続く稜線が近づいてくる。
渋滞に巻き込まれていなければあの稜線行けたのになと思う。
幸い天気が良く小さな雪庇のできた雪の尾根を登り続けるとやがて駒ヶ岳への
稜線に出た。ここを左に少し行けば黒檜山の頂上。
登山口から1時間40分で頂上に着いた。
頂上からは谷川岳や上州武尊、尾瀬、日光の山々が見える。


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    氷結した大沼を見下ろす。真ん中あたりてんてんと見えるのがワカサギ釣りの人
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 こんな雪の尾根を登ってゆく
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 駒ヶ岳へ続く稜線
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 黒檜山山頂
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 拡大すると向こうに上州武尊山が見える

景色を眺めながら昼食を摂り、登ってきたルートをそのまま下山。
アイゼンに雪玉がついて歩きにくく下山に時間がかかり、ちょっと疲れた。
下山後は赤城南面の滝沢温泉へ。
日本秘湯の会の温泉であるらしく、山のなかの小さな一軒宿の温泉だった。
緑色がかった濁り湯のいい温泉だった。
さて、休養が終わったら確定申告後半戦である。

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 滝沢温泉 滝沢館

上高地

1月はかなり忙しくてブログが書けなかった。
その忙しい仕事をなんとか終わらせて上高地に行ってきた。
冬は上高地は釜トンネルで通行止めなり、一般の観光客は入れない。
この時期の上高地に入るには釜トンネルから雪に埋まった車道を歩かなければならない。
冬山装備でのスノートレッキングである。

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     中央道を松本へ 途中、八ヶ岳が見えるが嘘のように雪が少ない。
 日本海側は大雪だが太平洋側は雪が少ないのだろう

安房峠への道の途中にある中の湯温泉に泊まり、
翌朝、そこの送迎サービスで釜トンネルの入口まで送ってもらい出発。
1.3キロの登り勾配のトンネルを抜けると上高地に続く雪の世界が始まる。
その先にあるもうひとつのトンネルを抜け、歩き続けると大正池が現れ、
大正池ホテルに着く。ここまで約1時間。
上高地のホテルはみな11月15日で営業を終えて冬季休業になるので、
当然ここも閉まっている。

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 釜トンネルの入り口
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 トンネルを抜けると雪の世界が始まる
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 大正池
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 大正池ホテル

ここから先は普通なら田代湿原に入り、雪に覆われた湿原と森のなかのルートを
河童橋目指してゆくのだが、中の湯で聞いた話では、昨年の大雨でそのルートが流され
通行禁止になっているので車道をそのまま河童橋へ行ってほしいとのこと。
素直に従い、そのまま車道を進む。
こちらのルートはつまらないかなと思ったのだが、無雪期に沢渡からのシャトルバスの
車窓から見る風景とは全然違う雪の世界が広がり、こちらのルートも悪くないなと思った。
車道は雪に埋もれているので雪の森のなかを歩いてゆくという感じである。
そのうち左側の木の間に赤い建物が見えてくる。帝国ホテル。ここも冬季休業中。
その先をしばらく行くと上高地バスターミナルに着く。ターミナルのところは
雪原になっている。

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 こんな感じでひたすら雪のなかを歩く
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 冬季休業中の帝国ホテル
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  上高地バスターミナル

その先に河童橋がある。
釜トンネルから2時間20分だった。
人気のない冬の上高地は雪に埋もれた異世界のように見える。
観光客のいる時期の明るい上高地を知っているので余計そういう気がするのだろう。
残念ながら天気は曇りで河童橋から穂高連峰を見ることは出来ない。
岳沢の下の方が見えるだけである。
橋の上から南を見るとそれでも焼岳が見えた。
去年、あの頂上直下でホワイトアウトになり引き返した。
岳沢の方に少し行って持ってきたテルモスのお茶とパンで昼食。
先の方にトレースはなく、岳沢湿原の方に人は入っていないのだろう。

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 河童橋
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 南を向くと焼岳が見える
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  明神・横尾へはこの谷をゆく

食事を終え、ここから引き返す。
今回は河童橋から明神まで行ってみようと思っていたのだが、
ガスっていて景色は見えないし、さらに雪も降ってきた。
来た道を戻り、途中、大正池の湖畔に下りてみて、そのあとは雪の車道を釜トンネルへ。
ここに来る度に思うのだが、雪景色のなかにトンネルの口がぼかりと現れると、
異世界から娑婆に戻る口のように見える。
黄泉比良坂の入り口もこんな感じだろうか(^^;
中の湯に戻り、翌日ロビーから穂高の吊尾根を眺めて横浜に帰った。
ここ数年毎年この時期に来ているのだが、なぜかいつも帰る日が一番天気がいい(^^;;

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 大正池 モノクロの世界
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 娑婆への入り口がぽかりと口を開けている
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 翌朝、中の湯温泉のロビーから穂高連峰 吊尾根が見える
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 中の湯温泉

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