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相続と成年後見

横浜市の地域ケアプラザでのセミナー&個別相談会に相談員として行ってきた。

前半はセミナーで後半が個別相談会。

セミナーは相続と成年後見について、かなり嚙み砕いての説明。

あとで講師が言っていたが、以前、別のところのセミナーで、

終わってから難し過ぎたとダメだしをくらったそうで、

それで内容を分かりやすくしたらしい。

参加者はケアプラザの利用者で、

いずれ成年後見が必要になるかもしれない高齢者である。

確かに、わかりやすく説明しないと聞いてもらえないかな。

後半の個別相談会、相談員2人で担当、相談者は一人暮らしの高齢のご婦人で、

老人ホームに入ろうと思い、5000万ほどかかるので、預けてある信託銀行に

金をおろしに行ったら、信託銀行で手数料3000万かかると言われたとのこと?

しばらく聞いていて気付いた。

「その3000万というのは老人ホームに入ってからかかる月々の支払いの話じゃ

ありませんか?  入居時の5000万だけじゃ足りないよ、それから先3000万はかかるよ、

という話じゃありませんか?

と聞いたのだが、いや、手数料で間違いないと言う。

さらに遺言状の話になり、その信託銀行に勝手に遺言状を作られたと。

本人は自分で作ると言ったのに、いえいえうちで作りますからと勝手に作ったそうだ。

で、本人、司法書士に頼んで新しい遺言状を作ってもらい、信託銀行で預かっていた

勝手に作られたという遺言状も取り返してもらったらしい。

確かに、高い手数料とか遺言状どうのこうのという話は信託銀行はやりそうである。

以前、このブログにも書いたが、信託銀行は遺産整理のサービスをやっていて、

相続発生後の戸籍謄本の取得とか金融機関への手続きとかを代行するということを

やっている。銀行によって違うだろうが、遺産の総額の1%、最低額110万、そのくらい

の手数料でやっているようだが、はっきり言って高齢者相手のぼったくりである。

私自身、自分の親の相続でそういう一連の作業をやっているが、

最低額でも110万円支払わなければならないようなものではない。

遺言状についても遺言信託というものを信託銀行はやっているが、

個人的には営利企業が人の人生の最後の清算について遺言執行人として係ることに

懸念を抱いている。実際、くだんの相談者は自分で遺言状を作りたかったのに、

信託銀行の主導で作られてしまっている。

「お客様のために」というのは宣伝文句なのである。

相談者のなかで、「高い手数料」とか「勝手に作られた遺言状」とかが膨らんでしまい、

話がとっちらかっているのではないかと思うのだが、

いずれにしろ、この相談者は信託銀行の営業とかになめられてしまうところがある

のかもしれない。思い違いもありそうだし、成年後見の補助くらい必要な人なのか

話の途中からそんな気がしてきて、それとなく本人の様子を見ていたのだが、

初対面で少し話したくらいでは分からないよね。

一人暮らしの高齢者には、後見までいかなくても保佐あるいは補助が必要なのに

そのままになっている人って結構いるのかもしれない。

そんなことを思いつつ相談会を終えて帰った。


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  セミナー風景

 

税務調査と税理士の立ち合い

しばらく前にあつた税務相談。

顧問先ではないのだが、個人事業の人で何年か前に税務調査を受け、

修正申告で納付することになった税金がかなりの額になり、

それが滞納になって悩んでいるとのことで相談に来た。

ま、基本的には税務署と話し合って分割での納付をするしかないので、

そういうことを説明したのだが、

その税務調査の話を聞いて首を傾げた。

建設業をやっていて、自分でやりきれない仕事を請け負った金額でそのまま

同業者に回していたらしい。

本人(A)は金が右から左に出ていくだけなので自分の売上ではなく預り金という

認識だったとのこと。

それを税務調査で売上の計上漏れということで5年分の修正をすることになり、

それがかなりの追徴税額になったらしい。

話を聞くと、同業者は請求書を元請けにではなくAに送っていて、

Aは元請けから振り込まれた金額をそのまま同業者に振り込んでいた。

同業者に仕事を紹介したのなら同業者は元請けに請求を出すべきで、

請求をAに出しているということはAから仕事を請け負っているという形である。

である以上、同業者に回した分も含めてすべてAの売上になるわけで、

その点については税務署の指摘は正しい。

で、税務署は売上計上漏れの修正申告の下書きを持ってきて、

これに署名しろということで修正申告をさせたのだが、

そのあと本人はつてを頼って税理士を紹介してもらい相談に行ったらしい。

そこで税理士に「なんでもっと早く相談に来なかったんだ、自分で修正申告を

しているので、もう手遅れだ。どうにもならない」と言われたらしい。

それから5年以上経ち、

いまだにその時の追徴税額の支払いが終わらず苦しんでいるらしい。

話を聞いて首を傾げたのは、

修正申告は売上の計上漏れだけを取り上げている。

同業者への外注費支払いの計上漏れはそのままである。

売上の計上漏れは本人も認めたところかもしれないが、

その修正申告に含まれていない外注費の計上漏れについては

更正の請求が可能なはずである。

なぜ、その税理士はそのときそういう説明をしなかったのか?

その時にしかるべき対応をしていれば問題は解決したはずである。

しかし、更正の請求も5年以上経過するとできなくなる。

今となっては、いかんともしがたい。

それにしても税務署もひどい。

金が右から左に流れ、売上が計上漏れになっていると同時に外注費も計上漏れに

なっていることは調査時に分かったのではないか?

それなのに売上計上漏れだけの修正申告の下書きを持ってきて、

これに署名しろと納税者に迫った。

外注費の計上漏れについては知らん顔をしたのであろう。

税理士が立ち会っていない税務調査では、たまにこういうことがある。

適正な課税よりも増差税額を出すことに頭がいっている調査官というのは、

実際いるのである。一方は税金のプロ、一方は素人。

なにも分からないままに言いなりになっているということはある。

だから、普段、税理士を依頼していない納税者も、

税務調査のときだけは税理士に立ち合いを依頼するとか、

そういうふうにした方がいいのである。

ちゃんとした税理士なら、自分のしていない申告でも、内容を確認したうえで

引き受けてくれるはずである。

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  近くの自然公園、公孫樹の黄葉が綺麗だった。

瀬谷フェスティバル

横浜市が毎年各区で開いている区民祭り、

瀬谷区では瀬谷フェスティバルということで、今年は瀬谷区役所の周辺で開催。

税理士会では毎年、税務と成年後見の相談のブースを出しているのだが、

成年後見の相談ができる人が少ないということで、

相変わらず相談員ということで引っ張り出されている(^^;

天気がイマイチだったので、どうかなと思っていたのだが、

駅から近いということなのか相変わらずかなりの人出。

区役所の外の広場に食事系の屋台が並び、それ以外のブースは区役所の建物内で

やっていたので、これだと屋外の屋台の方に人がいってしまい、

相談に来る人は少ないだろうなと思っていたのだが、

あにはからんや今までの区民祭りで一番多い相談事績になった。

結局、駅から歩いて来られるということで、相談者が多かったのかも知れぬ。

それはいいのだが、相談員が終わってから口々に言っていたのは、

今年は難しい相談が多かったということ。

確かに今までは年金の申告とか医療費控除の申告とか、

そういうのが多かった気がするが、

今年は相続がらみの相談が多かった。

それも、二次相続を考えた相続とか、空き家の3000万控除とか、

具体的な資料を見て検討しないといけないような相談。

そういう相談が来ること自体はいいのだが、

税理士の税務相談にしろ弁護士の法律相談にしろ、

無料の相談って一定の時間内でやるもので、

おのずから一般的な相談といいうことを前提にしているのである。

神奈川県がやっている弁護士の無料法律相談とかははっきりしていて、

30分たつとチャイムが鳴って話の途中でもそれで終了である。

具体的な事案って、限られた時間内でするのは結構厳しい。

それで終わらないような相談は有料。

なぜなら、公的な負担で個人の個別の相談にそこまでかかわること自体が

おかしいわけである。

今回の相談も一人で1時間以上かかっている人がいたが、

区民祭りのような場での税務相談とかは、出来るだけ多くの人の相談に応えるという

スタンスでするわけで、一部の人の複雑な事案のために時間をつぶすことは

前提にしていない。

その辺は理解してもらわないといけない。

「一人30分までということにしないといけないんじゃないの?

終わってから担当部長や副支部長とそういう話をしていのだが、

ま、今までと比べてかなり相談が多かったということ自体はいいことで、

今後の課題とすべきところかな。


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 開会直後くらいの会場、向こうのステージでブラスバンドが演奏していた
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   国税のキャラクターのイータ君。職員に手を引かれてやってきた、
 なんでもこの着ぐるみ、前があまり見えないそうで、ちょっと危険なのである(^^;;
  着ぐるみ来てる担当者は大変。

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 隣りの法人会のブースにあつた一億円の札束。
 重さは10キロ。ただしレブリカ。
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  2年後の花博の宣伝。地元としては道路混みそうで複雑なのだが...(^^;;;

退職金課税の改正

顧問先の社長から電話がかかってきた。

「今年の税制改正で退職金の課税変わったんですか!?

「令和7年の税制改正で変わったのは確定拠出年金を先に受け取った場合ですよ、

そちらの会社では関係ないでしょ」

「小規模企業共済を受け取った場合も同じ扱いだって、知り合いの社長から聞いたんです。

税理士さんにそう言われたって。私も小規模企業共済受け取ってますよ、

関係ありませんか?

とりあえず来客中だったので、一度、電話を切りあとでかけ直したのだが、

令和7年の税制改正での退職金課税の改正は、

確定拠出年金の老齢一時金を、会社から「退職金を受け取る年の前年以前4年以内」に

受け取った場合の退職所得控除の重複期間の調整を、

「退職金を受け取る年の前年以前9年以内」に延長するというもの。

今までは5年経過していれば調整計算が不要だったのが10年経過しなければ

調整計算をしなければならなくなったので、それだけ税負担は増えるわけである。

働き方改革で定年を70まで延長しようという動きがあり、

確定拠出年金の老齢一時金は60から受け取れるので、

受け取ってから退職金を受け取る70までの10年間について、

退職所得控除の重複期間の調整が必要ということで改正された。

つまり、確定拠出年金の老齢一時金を受け取ってから会社の退職金を受け取る場合に

ついての改正であって、小規模企業共済は確定拠出年金とは別のものであり、

今回の10年への延長には関係なく、

従来通り、複数の退職金を受け取った場合の退職所得控除の調整期間は5年のままである。

知り合いの社長さんのところの顧問税理士、この辺を混同したらしい。

ま、この辺いろいろ複雑だけどね

しかし、その年の税制改正の内容についてはその顧問税理士さん、

もう少し押さえておいた方がいいね。

そうしてもらえれば、こちらも他の話をしているときに、

いきなり焦ったような電話をもらわないで済むというものである(^^;


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  アーチェリーの射場の彼岸花が咲いた

ハラスメント

税理士会の研修会、今回は税法とかではなく「ハラスメント防止研修」。

ハラスメントって結構難しい。

顧問先でもハラスメントの問題は起きるわけで、税理士としてはその辺も理解して

いなければ、適切なアドバイスができないわけである。

職場でのハラスメントは、えてしてお互いの認識の差異から生じるわけだが、

とりあえず相手がハラスメントと受け取ればハラスメントだという。

正直言うと、その辺はいささかの違和感は覚える…(^^;

一方の認識だけでジャッジするというのは本来は危険を含んでいるのだが…。

それはそれとして、それが現状だということで研修を聞く。

まず、いろいろなハラスメントがあるということにあらためて驚く。

パワーハラスメント

セクシャルハラスメント

モラルハラスメント

アルコールハラスメント

マタニティハラスメント

カスタマーハラスメント

この辺は知っているのだが、

パタニティハラスメントとか、ハラスメントハラスメント、マルハラスメント。

パタニティハラスメントは男性が育休を取ろうとして職場で嫌がらせを受けるとか

不利益な扱いを受けるとかいうもの。

ハラスメントハラスメントは正当な言動や指導に対し過剰にハラスメントだと

反応すること。

マルハラスメントはメールとかの末尾に句読点があるとそれが怖いと感じる若者が

いるらしい。う~ん…。とりあえずそれもハラスメントなのね…(^^;;。

実際の事例を聞くとなかなか難しいのもある。

セクハラを受けていると会社の担当者に相談した女性が、周囲がセクハラといわれるのが

嫌で話しかけなくなり職場で孤立し、今度はモラハラ(無視)を受けていると相談して

きたという事例。

職場のコミュニケーションが成立していないんだろうな…。

面白いと思った事例は、

仕事でミスをした若い社員のために上司が土曜日に一緒に出社して、

何件かの取引先を手分けして電話で謝ったのだそうな。

そうしたら、若い社員、自分に振り分けられた分への電話が終わり、その社員の

代わりにまだ謝罪の電話をしている上司に「終わりましたから帰ります」と言って

帰ろうとしたらしい。

上司は当然怒るわけである。

「おまえのミスを謝罪しているのに帰るとは何事だ!  そんなことなら会社を辞めろ!」

と怒鳴ったそうな。

そしたら、その若い社員、次の日から出社しなくなり、5日後に会社に

「上司のパワハラで精神的苦痛を受け…云々」という医者の診断書が送られてきたという。

結局、金で和解したらしいが、講師の社会保険労務士は、

「医者の診断書が送られてきたら、もうダメだと思ってくたさい。

ただ、このケースは出社しなくなってから5日後に診断書が届いていて早すぎます。

そういう人だったのかもしれません…」と言っていた。

ちなみに「会社を辞めろ」は絶対言ってはいけない言葉であると。

昔は平気で言っていたよね。「そんなことなら辞めてしまえ!」。

そういうのもあるのかと思った事例は、

妊娠して退職した女性社員、講師の社会保険労務士の顧問先で、労務士自身が本人に

面接して自己都合での退職と確認したのだが、職安から電話がかかってきて、

「本人は会社に辞めさせられたと言ってます」と。

職安の話では本人は「自分は退職したくなかったが社長が怖くて言えなかった。

心の中で辞めたくありませんと言っていました」と。

職安というのは心の中で言ったという声が聞こえなかったのは違法だと言うのだろうか?

ただ、そのときその労務士はふと気づいて社長に聞いたそうな。

「社長さん、彼女が子供が出来たと言ったとき、嫌な顔とかしました?」

社長さん、仕事が出来なくなるなと思って嫌な顔をしてしまったらしい。マタハラである。

この事例について、講師の社会保険労務士が言うには、

「最近はネットにいろいろな情報が溢れていて、こういうふうに言えば通るとか、

お金が取れるとか、そういうのを読んで言ったのではないか」と。

う~ん、そういう事例があると、

ハラスメントの問題は同時に会社の危機管理の問題でもあるということである。

ハラスメントは当然排除されるべきもので、

良い職場環境の確保は重要である。

同時にハラスメントの問題は別の側面として職場を委縮させる可能性もあるわけで、

その辺の兼ね合いが難しいのだろう。

なかなか面白い研修だった。


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  研修会風景

総会

税理士会支部の総会。

監事をやらされているので出席しないわけにいかない。

半年に一回、会計監査と業務監査をして総会で監査報告をする。

それが監事の仕事。

ま、監査報告と言っても議案書の監査報告文を読み上げるだけである。

書いてあるものを読み上げるだけというのもつまらないもので、

「議案書の監査報告に書かれていますのでお読みください。以上、報告します」とか

一度でいいから簡単に済ませてみたいのだが、

たぶん、それやったら顰蹙買うんだろうな…(^^;


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   総会風景

議案審議が順調に進んでもう終わりと思ったら、会場から質問が出た。

ある部の来期の予算についての質問。

いやな質問だなと思った。

監査のときにちょっと問題になった部分。

しかし、執行部がうまく説明して質問者もあっけなく納得して終了。

総会が終わると懇親会があるのだが、出席しないで帰る。

この頃、支部の懇親会のようなものはパスすることにしている。

若い頃親しかった税理士仲間もひとり減りふたり減りしてきたし、

それに、必要以上には顔を出さないようにしていれば、

そのうち役員選挙で落としてくれるだろう。

もう支部の仕事はいろいろやってきた。そろそろ御役御免にして欲しい。

支部の活動も若い人達が頑張ってくれればいいのである。

懇親会はパスして会場のホテルを出、そのあとは馴染みの蕎麦屋で軽く一杯。

入れてあった白州、少し日にちがあいたが無事を確認。

ちょっといい気分になって家に帰った。


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  白州の無事を確認 しばらく御無沙汰だったが取っておいてくれた。

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