ひさしぶりに歌会に出席してきた。
東京の平日歌会。
かつては多い時には月に3回くらい歌会に出ていたが、
仕事が忙しくなったり、アーチェリーの射場を自分達で管理するようになって
休日の用事が増えたりで、あまり出席できなくなった。
4月の福島の歌会以来だから今年はこれで2回目の歌会出席。
それはそれとして、例によって気になった歌。
誌面発表前なので詠草そのままは出せないが、
ぬばたまのブルカのように肌を覆う女がいきかう長い夏、
そんな歌意の歌。
日焼け防止に黒いベールのようなもので顔や首のあたりを隠す女性が増えて、
それを表現しようとしたのだと思うのだが、
表現としては、「ぬばたまの」はいいとして、「ブルカのように肌を覆う」が気になった。
日焼け防止のファッションの比喩としてブルカが使われているわけだが、
ブルカというのはイスラムの女性が全身を隠すように纏うロングな服であって、
作者が今年の暑い日本の夏に見ているのは、
顔や首のあたりを隠す日焼け防止のフェイスカバーだろ。
比喩だからいいといえばいいのかもしれないが、ちょっと違う気がする。
ブルカというより女盗賊の覆面だよね(^^;
それと、「のように肌を覆う」がまどろっこしい。あとひとつ気になったのが…。
「ブルカ」というとき、イランやアフガニスタンの女性達が着ている黒い服が浮かぶ
のだが、それは同時に女性達の抑圧された姿でもあるわけである。
2か月前、ウズベキスタンに行ってきたが、ウズベキスタンの女性達は割と自由な
服装をしていた。ウズベキスタンの南はアフガニスタンである。
国境の北と南、生まれた場所が僅かに違っただけで、
一方には抑圧されて生きなければならない女性達がいる。
ブルカにはそういう抑圧の象徴という一面がある。
そんなことを思ったとき、
比喩としてのブルカが少し安易な使われ方をしている気がした。
言葉が纏うものについて作者が考えた気がしない。
ただ、この辺は割と時間的にそれほど経過していない見聞があるゆえの、
個人的な印象かもしれない。
そんなこんなで全16首の批評をして歌会は定時に終わった。
平日歌会は新しい人が増えたみたいで、
批評慣れしていない人も割といる感じだったが、
ベテランの人達がいい批評をしていくことで
そういう人達も力をつけていくんじゃなかろうか。
歌会に出るとやはり刺激があって楽しい。
時間やりくりして出来るだけもう少し歌会にでるようにしようと今更ながら思った。
上野はトンカツの美味しい店が多い。


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