税理士会の研修会、ちなみに税理士は年36時間以上の研修を義務づけられている。
新型コロナの間、税務調査はあまりおこなわれなかったが、
コロナが収束してきて税務調査は活発化している。
今回はその税務調査について事例を検討する研修会。
3つの事例を検討したのだが、いずれも内容的には面白い事例。
そのなかで目にとまったのが、
原告代表者の個人的な飲食費を交際費に計上していて否認された事例。
原告の会社社長A。ひいきのホステスがいたみたいで、そのホステスの在籍している
クラブに頻繁に同伴出勤やアフターを繰り返していたらしい。
で、ほとんどが1人飲みなのだが、それを交際費に計上していた。
税務調査でそれを否認されたのだが、
その辺の経緯がなかなか面白い。
顧問税理士かなり頑張っていて、税務調査での交際費以外の指摘事項については
それをひっくり返したのだが、Aはそれでも気に入らなかったらしく、
途中からこの税理士に報酬を支払わなくなったらしい。
最終的には顧問税理士とAとの間で報酬支払の民事訴訟をおこされてAは負けて
いるのだが、ま、Aはかなり癖の強い経営者だったんだろうな…。
そのAをかなり怒らせたのが税務署の調査官であったらしく、
よせばいいのに、ひいきのホステスの写真を示しながらAの奥さん(会社の取締役)にも
説明を求めなければならないとか迫ったらしい。
強引に責めれば根を上げると思ったのかもしれないが、
むしろAを怒らせて税務調査では終わらず訴訟までいった。
顧問税理士が指摘事項をかなりひっくり返すことが出来たのも、
あるいは調査に強引さがあったのがひとつの理由かもしれない。
その辺の経緯の面白さは面白さとして、
重加算税の課税要件についての検討も勉強になった。
確かに税務調査の現場にいると、
重加算税を取ることが調査官の成績になっているのかどうかは知らないが、
調査官が安易に重加算税を持ち出す傾向はある。
というか、調査官に言われるままになる税理士が結構いるんだろうな…。
だから調査官が安易になるのである。
そういう調査官を見ていると、Aの怒りが多少分からなくもない(^^;
ま、Aがしたことの是非は別として、正当な怒りは必要である。
ひいきのホステスとの飲み代を経費にしていた経営者への怒りは必要だし、
よせばいいのに、奥さんに話すぞみたいな脅し方をした調査官への怒りも必要である。
そういう怒りは立派に国民の権利だ。
面白い研修だった。
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