「その眼鏡じゃ無理だったかもね、取っても無駄になっていたかもしれないね」

アーチェリーの射場の常連仲間Sにそう言われた。

常連仲間のS、航空高校を卒業して飛行機の操縦が出来る。

母校で体験飛行が出来るということで、行きたいなと思っていたのだが、

最近、眼鏡を新しくしてそう言われた。

どうも、右と左の視力差がかなりあって、両方とも見えるようにすることは出来るのだが、

視力の悪い方をそれだけ強く矯正するとバランスの関係で違和感を感じるだろうと

いうことで、視力の悪い方はちょっとぼんやりする感じで眼鏡を作っている。

それが効き目の方なので、アーチェリーやっていて、ちょっとやりにくいのだが、

それは仕方ないとして、

そういう状態だと、飛行機の操縦免許の身体検査で引っ掛かるだろうということ。

若い頃、飛行機の操縦に憧れていた。

税理士試験の勉強をしている頃、本屋で税理士試験の受験雑誌を買うついでに

航空関係の雑誌を手に取って見たりしていた。

当時は眼鏡をかけていたら飛行機の操縦免許は取れなかったのである。

だから、かなわぬ夢という感じでそういう雑誌を読んでいたのだが、

数年前、本屋で航空関係の雑誌を見付け、懐かしくなって手に取ったら、

なんと!?

矯正視力でOKになっているではないか!

えっ!?   いつ法律変わったの?   眼鏡でも飛行機操縦出来んの!?

再び免許が欲しいなと思ったのだが、仕事も忙しく、

手っ取り早くアメリカに行って免許取るにしてもそれなりに日にちはかかるわけで、

ちょっと無理かなと夢は夢で終わっていた。

そこにアーチェリーの常連仲間のSに母校で体験飛行が出来ると言われ、

行きたいなと思っていたのだが

調べてみると、視力の他にも視野とか血圧とかいろいろあるらしい。

飛行機の操縦免許を取り、

宮崎駿の『紅の豚』を気取って、

「飛べないおやじはただのおやじだ」と嘯きたかったのだ(^^;

やはり夢は憧れたときに着手しなければダメだ。

いずれ手をつけよう、なんて思っていたら、

夢は夢で終わる。

若者よ、夢に挑むことを恐れるな。


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  アーチェリーの射場の森