2025年03月

建物の取得費

確定申告が終わった。今年の確定申告はかなり忙しかった。
毎年いろいろあるのだが、今年もちょっと面白い話があった。
しばらく前、相続があったところ。
相続で相続人の共有になっていた土地を売ったので、
その譲渡所得を申告しなければならない。
売った物件については、うちの顧問先ではない相続人が管理していたので、
あちらの顧問をしている税理士法人が譲渡所得の内訳書を作成し、それを送ってきた。
計算はしましたからあとは共有持ち分で申告してください、ということである。
それ自体は構わないのだが、その譲渡所得の内訳書を見て首をひねった。
譲渡所得は譲渡の収入金額から取得費と譲渡費用を引いて計算するのだが、
送られてきた内訳書を見ると、どうも取得費の計算がおかしい。
賃貸していた物件の減価償却、その未償却残高を取得費として計算しているのだが、
どうみても建物の修繕費だろうというのが含まれている。
例えば、建物の外壁塗装修理、退室のときにかかったのであろうリフォーム代、
その他もろもろ、内容からして修繕費と思われるものが減価償却に計上されている。
建物の外壁塗装修理とかは建物が大きくなるとかなりの金額がかかるわけだが、
建物の修繕維持管理のものである限り、金額が大きくてもそれは修繕費であって、
減価償却の対象になる資本的支出ではない。
それを資本的支出として減価償却しているわけである。
内容で判断せず金額が大きくなるとすべて減価償却ということにする。
農協が結構こういう申告をするのだが、税理士がそれと同じことをやっている。
で、建物の修繕・維持・管理のために必要なものは毎年の必要経費になるのであって、
譲渡所得の取得費にはならないのである。
減価償却の対象にしていてまだ必要経費にしていないから取得費だという話は通用しない。
つまり譲渡所得の計算が間違っているということである。
くだんの税理士法人、ホームページを見てみると、20人くらい職員のいる事務所である。
たぶん、営業力はあるんだろう。
金融機関や不動産会社とつながって立派な事務所構えていれば、
知らない人は立派な仕事してくれる税理士事務所と思うのだろう。
しかし、取得費間違えてるよね…。
うちは職員ひとりしかいない事務所だけど、たぶんもう少しいい仕事してるな(^^;


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    確定申告の打ち上げ、今年の山崎は出来がいいらしい。

赤城山

赤城山、群馬のほぼ真ん中にある古い火山である。
カルデラ湖の大沼を囲む外輪山の一番高いところが黒檜山で、
そこが赤城山の頂上ということになっている。
なっている、というのは外輪山のような山でどこが頂上かとかあまり意味がない
ような気がするわけで、外輪山全体が赤城山という山なんだろうなと思うわけである。
確定申告の中休みということで軽い冬山登山に出かけてきた。
が、東名で渋滞に巻き込まれた。
予定では黒檜山から駒ヶ岳へ縦走して降りてくるつもりだったのだが、
登山口に着いたのが11時15分。
時間が遅いので黒檜山だけのピストンに変更。支度をしてすぐに出発。
今年は雪が多そうだが、先行のパーティーがいて結構トレースがついているよう
なのでワカンは使わずアイゼンだけ持ってゆく。
登山口から急登が続く。ぜいぜい言いながら登り続けると氷結した大沼が見える。
てんてんとワカサギ釣りをしている人がいる。
さらに登ると駒ヶ岳へ続く稜線が近づいてくる。
渋滞に巻き込まれていなければあの稜線行けたのになと思う。
幸い天気が良く小さな雪庇のできた雪の尾根を登り続けるとやがて駒ヶ岳への
稜線に出た。ここを左に少し行けば黒檜山の頂上。
登山口から1時間40分で頂上に着いた。
頂上からは谷川岳や上州武尊、尾瀬、日光の山々が見える。


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    氷結した大沼を見下ろす。真ん中あたりてんてんと見えるのがワカサギ釣りの人
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 こんな雪の尾根を登ってゆく
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 駒ヶ岳へ続く稜線
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 黒檜山山頂
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 拡大すると向こうに上州武尊山が見える

景色を眺めながら昼食を摂り、登ってきたルートをそのまま下山。
アイゼンに雪玉がついて歩きにくく下山に時間がかかり、ちょっと疲れた。
下山後は赤城南面の滝沢温泉へ。
日本秘湯の会の温泉であるらしく、山のなかの小さな一軒宿の温泉だった。
緑色がかった濁り湯のいい温泉だった。
さて、休養が終わったら確定申告後半戦である。

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 滝沢温泉 滝沢館

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