2025年02月

もっと戦えってば(^^;

先日の税理士仲間の勉強会でのこと。
最近の税務調査って変わりましたね~、というので、なんの話かと思ったら、
質問応答記録書のことだった。
税務調査で必ず作成されるというものではなく、
審査請求や訴訟になる可能性がある税務調査や重加算税をかける場合に作成される。
その税理士さんの話では、修正による増差税額もたいして出ない調査で、
調査官は「重加算税たいして金額出ませんけど一応作らせて頂きます」と言って作成し、
社長に署名させたらしい。
内容は、社長の実家への交通費を認定賞与にされたという事案。
その実家は、以前は会社の相談役としていろいろ相談にのってもらい、支援もして
もらっていたということで、そういう相談や支援の要請のために実家に行く交通費を
費用計上していたらしい。
で、そういう相談や支援が少なくなってからも、
実家へ行く交通費を引き続き費用計上していたらしい。
その税理士さんの言うには
「まったく仕事に関係ないということないんですよ、今でも少し相談にのって
もらっていて」
とのことだが、どうなんだろ、ちょっと弱いんじゃないかな(^^;
交通費の経費否認、認定賞与自体は妥当なところのような気がする。
しかし、気になったのはその程度の内容で重加算税を課すということ。
重加算税が課されるのは「仮装または隠蔽があった場合」である。
この例の場合、仮装または隠蔽はあったのか?
会社は実家への交通費について交通費精算の明細書を作っていたわけである。
その交通費精算の明細書には行く先は実家が記載され金額等も事実を記載している。
つまり、隠蔽の事実はない。
税務署の指摘は「そういう交通費の清算明細書を作った時点で仮装だ」ということ
らしいが、会社は実家への交通費を費用として認識し、それをありのまま記載して
経理処理していたのであって、費用として認識したことに問題はあるかもしれないが、
仮装の事実はないのではないか?
少なくとも日本語の「仮装」にあたるものを見出すことは出来ない。
「質問応答記録書は署名を拒否してもいいんですよ、納得できないものに署名する
義務はありません」
「署名を拒否できるんですか?  そういう説明もまったくありませんでした。
たいした税額は出ないからと言われて…」
「重加算税の課税要件を満たしていないんじゃないですか?  そんなの放っといて、
向こうが重加算税かけてきたら争えばいいのでは?」
「でもたいした金額じゃないし…」
いや、だから、それが良くないんですよ(^^;;
戦わない税理士が多すぎるんだよ。
国税になにか言われると易々と従うような…。
納税者の権利を軽視するようなことを平気でやる調査官が散見されるのは、
ひとつにはそういう戦わない税理士の存在が背景にあるわけである。
この事案でも調査官の成績稼ぎで重加算税をかけようとしているのは見えすいている。
それを、たいした金額じゃないし、で済ませてどうする。
必要があれば税理士も国税も戦うのである。
納税者の権利が侵害されていれば税理士は戦わなければならず、
不届きな納税者がいれば国税は戦わなければならない。
互いに戦うことで租税正義は実現するのであって、
そういうところで安易な妥協はしなくていいのである。
もっと戦いましょうよ(^^;;;


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   立春の朝に搾ったという日本酒
 毎年この時期、アーチェリーの常連仲間から買っている。
 美味しかった。

上高地

1月はかなり忙しくてブログが書けなかった。
その忙しい仕事をなんとか終わらせて上高地に行ってきた。
冬は上高地は釜トンネルで通行止めなり、一般の観光客は入れない。
この時期の上高地に入るには釜トンネルから雪に埋まった車道を歩かなければならない。
冬山装備でのスノートレッキングである。

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     中央道を松本へ 途中、八ヶ岳が見えるが嘘のように雪が少ない。
 日本海側は大雪だが太平洋側は雪が少ないのだろう

安房峠への道の途中にある中の湯温泉に泊まり、
翌朝、そこの送迎サービスで釜トンネルの入口まで送ってもらい出発。
1.3キロの登り勾配のトンネルを抜けると上高地に続く雪の世界が始まる。
その先にあるもうひとつのトンネルを抜け、歩き続けると大正池が現れ、
大正池ホテルに着く。ここまで約1時間。
上高地のホテルはみな11月15日で営業を終えて冬季休業になるので、
当然ここも閉まっている。

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 釜トンネルの入り口
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 トンネルを抜けると雪の世界が始まる
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 大正池
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 大正池ホテル

ここから先は普通なら田代湿原に入り、雪に覆われた湿原と森のなかのルートを
河童橋目指してゆくのだが、中の湯で聞いた話では、昨年の大雨でそのルートが流され
通行禁止になっているので車道をそのまま河童橋へ行ってほしいとのこと。
素直に従い、そのまま車道を進む。
こちらのルートはつまらないかなと思ったのだが、無雪期に沢渡からのシャトルバスの
車窓から見る風景とは全然違う雪の世界が広がり、こちらのルートも悪くないなと思った。
車道は雪に埋もれているので雪の森のなかを歩いてゆくという感じである。
そのうち左側の木の間に赤い建物が見えてくる。帝国ホテル。ここも冬季休業中。
その先をしばらく行くと上高地バスターミナルに着く。ターミナルのところは
雪原になっている。

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 こんな感じでひたすら雪のなかを歩く
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 冬季休業中の帝国ホテル
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  上高地バスターミナル

その先に河童橋がある。
釜トンネルから2時間20分だった。
人気のない冬の上高地は雪に埋もれた異世界のように見える。
観光客のいる時期の明るい上高地を知っているので余計そういう気がするのだろう。
残念ながら天気は曇りで河童橋から穂高連峰を見ることは出来ない。
岳沢の下の方が見えるだけである。
橋の上から南を見るとそれでも焼岳が見えた。
去年、あの頂上直下でホワイトアウトになり引き返した。
岳沢の方に少し行って持ってきたテルモスのお茶とパンで昼食。
先の方にトレースはなく、岳沢湿原の方に人は入っていないのだろう。

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 河童橋
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 南を向くと焼岳が見える
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  明神・横尾へはこの谷をゆく

食事を終え、ここから引き返す。
今回は河童橋から明神まで行ってみようと思っていたのだが、
ガスっていて景色は見えないし、さらに雪も降ってきた。
来た道を戻り、途中、大正池の湖畔に下りてみて、そのあとは雪の車道を釜トンネルへ。
ここに来る度に思うのだが、雪景色のなかにトンネルの口がぼかりと現れると、
異世界から娑婆に戻る口のように見える。
黄泉比良坂の入り口もこんな感じだろうか(^^;
中の湯に戻り、翌日ロビーから穂高の吊尾根を眺めて横浜に帰った。
ここ数年毎年この時期に来ているのだが、なぜかいつも帰る日が一番天気がいい(^^;;

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 大正池 モノクロの世界
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 娑婆への入り口がぽかりと口を開けている
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 翌朝、中の湯温泉のロビーから穂高連峰 吊尾根が見える
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 中の湯温泉

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