2024年06月

ザイル祭

山岳会の現役とOBが年に一度集まるザイル祭。

かつては裏丹沢の神の川ヒュッテで開いていたが、神の川ヒュッテが使えなくなり、

山梨の方で開いていたこともあるが、昨年から表丹沢のどんぐり山荘を使うようになった。

山登りを始めた頃、はじめての沢登りをしたのが表丹沢。

水無川の本谷や勘七の沢、源次郎沢など、初級から中級の日帰りで登れる沢があり、

このあたりの沢を登って技術を身につけ、

上越やアルプスのより大きな谷を登りに行った。

自分達にとって表丹沢はそういう場所である。

夕方、大倉のバス停のすぐそばのどんぐり山荘に集まり、宴会開始。

現役とOB25人くらい集まっただろうか。

SNSの時代、山登りをする若者はネットでつながるようになり、

山岳会には人が集まらなくなってきた。

かつて先鋭的に活動していた山岳会が会員の高齢化で活動が変容していたり、

山岳会というもの自体が過去のものになりつつあるのかもしれない。

そんなこんなの時代ではあるが、

若い頃ともに山を登った仲間とひさしぶりに会うのはやはり楽しい。

鹿児島から駆け付けた仲間も加え夕方から飲み始めて宴会は日付けが変わるまで。

飲んで話して楽しい時間を過ごした。

それにしてもみな歳をとった。

病気の話などが多くなるのは仕方ないのであろう。

疲れた者から三々五々眠り、翌朝、鳥のさえずりで目を覚ます。

宴会の片づけをして朝食を食べ、全員で記念写真を撮って、

そのあとはこりもせず朝から再び飲み始める者もあり、

思い出話に花を咲かせる者もあり、

寝不足解消に帰るまで寝る者もあり、

そんな感じでそれぞれ過ごし、

来年の再会を約束して帰路に着いた。

ちなみに新東名ができたので表丹沢から横浜に1時間で帰ってしまう。

若い頃とは違い便利になったものである。


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  どんぐり山荘

歌会

ひさしぶりに歌会に出席。

毎月第一日曜が歌会だったのだが、

アーチェリーの射場を自分達で運営するようになって第一日曜は射場整備の日になった。

木を伐ったり草刈りしたりコースの的や階段を修理したり、

春夏秋冬、月に一度、山仕事にいそしんでいる。

そんなわけで歌会に出にくくなったのだが、今回は天気予報が雨だったので、

雨なら射場整備が中止ということで横浜歌会へ。

ちなみに、調べてみたら最後に歌会に出たのが2年前の7月の湘南歌会だった。

実に2年ぶりの歌会である(^^;


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 歌会前の昼食は会場近くのライブ喫茶イマジン。たまにライブやるらしい。
 とりあえずは禊のビールを飲んで戦闘モードに切り替えて歌会に行く。


で、気になった歌というか、気になったこと。

例によって誌面発表前なのでここに出せないのだが、

カラスが雨のなか小枝を運んでいる、子が待つケータイ基地局の上に。

そんな歌意の歌。

前評者は好意的な批評をしていた。

で、次に指名された私は

「前の人は好意的だったけど、私には作ったような歌に思える」と発言した。

歌会はそのまま進行していったが、ちょっと後悔した。

作ったような歌に思える、というのは表現のリアリティーに問題があるという

ことである。そうであるなら一首の表現のどこにその問題があるのか、

それを指摘するのが批評であるはずで、

「作ったような歌に思える」だけでは感想に過ぎないのである。

今まで自分自身、歌会でそういう批評を何度か聞いて、

「それ感想だろ、表現のどこがそうなんだよ」と不満を覚えたものである。

2年ぶりに出席した歌会で自分がそれをやってしまった。

後悔してちょっとそのあと考えてみた。

まず、情景としては、雨のなかカラスが小枝を巣に運んでいるわけである。

その巣はケータイ基地局の上にあり、そこには雛がいる。

「子の待つ」がいけないのではなかろうか?

雨のなか子のために巣の補修であろうか小枝を運ぶ親ガラス。

絵に描いたように健気な親ガラスである。

そのいかにもの健気さに作った感が出てしまう気がする。

あるいは実景そのままなのかもしれないが、実景をそのまま詠っても、

ほんとにそういうことあったの? と思われることはあるわけで、

表現のリアリティーをどう確保するかは実景か否かとは別問題である。

さらに言えば、巣作りではなく既に雛が生まれているときに小枝を運ぶ?

巣の補修をしているのか? とか、

高いところにあるカラスの巣に雛がいるのをこの作者知っているのか? とか、

余計なことを考えてしまう。

雛が生まれてから巣の補修をすることはあるのかもしれず、

高いビルやマンションからカラスの巣を見下ろすこともできるのかもしれない。

しかし、そういうことを考えさせてしまうこと自体が、

一首のスムースな鑑賞を妨げている気がする。

歌会を終わってから作者に聞いてみた。

ケータイ基地局の上の巣にカラスが雨のなか小枝を運んでいたのは実景だそうである。

雛がいたのかどうかは分からないとのこと。

ま、実際に雛がいたかどうかは関係ない。表現の問題なのだから。

他にも気になった歌があって書こうと思っていたのだが、

長くなるのでやめとく。

いずれにしろ2年ぶりの歌会は刺激になって良かった。

印象としては、横浜歌会、おとなしくなっちゃったかな

もっと発言したかったのだが、今回の出席者は18人。

これくらいの人数になると歌会の進行としてはギリギリで、

実際、司会の人は時間に間に合わせるために当人の歌は批評なしで終わりにしていた。

そういうことが分かっているので指名されない限り、あまり発言しないようにしている。

なにしろ、歌会に来ると言いたい放題言って毒を撒き散らすとか言われているらしいので、

これでも遠慮しているのである(^^;;


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 歌会風景
 

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