2024年01月

焼岳

北アルプス焼岳、かつて大噴火して梓川を堰き止め大正池を作った2455mの火山。

今も噴煙はあげているが比較的落ち着いているので登山の対象になっている。

昨年、一月の末に中の湯温泉に泊まり冬の上高地を歩いてきた。

今年は中の湯から焼岳を目指した。

冬は四駆スタットレスの車でなければ入れないという中の湯に夕方チェックイン。

まずはゆっくり温泉に入り明日に備える。


DSC_1540
 中の湯から穂高方面、霞沢岳に雲がかかっている


翌朝、朝食を済ませて宿を出発したのが810分。

宿の後ろの急斜面を上の林道までショートカットで登る。

林道に出るとその向かいが焼岳の登山口。

ここから雪の樹林のなかを登っていくのだが、しっかりトレースがついていて、

3時間ほどで焼岳の北峰と南峰が望める広場に出る。

無雪期はここから沢を渡り北峰に登るのだが、

冬は沢筋が雪崩で危ないので広場から左の尾根に取りつき南峰を登る。

朝のうちは天気が良くて、登っている最中も木の間から穂高の吊尾根が見えたりして

いたのだが、だんだん天気は悪くなって広場に着いたときは北峰は見えたが南峰は

雲の中だった。ここでアイゼンを着け南峰を目指す。


DSC_1544
 雪の樹林


斜面を登ってゆきやがて火口の縁に出る。

というか、天気が悪くなって周囲が見えなくなってきているので地形からして

そうなのだろうという話。ここから右の雪の斜面を登れば頂上のはずである。

ちょうど上から下りてくるパーティーがいたので見当をつけて我々も登る。

もともと上の方は雲のなかだったのに加え、天気も悪くなってきているので状況は

あまりよくないのだが、それにしてもここから先、上に向かっているトレースが少ない?

先行していた登山者の数からしてもっと歩いた跡が雪の上にあっていいはずなのだが、

やけに少なくなっている。なんで?と思いながら斜面を登り、

ふと後ろを振り向くとホワイトアウトのなか、

風に吹かれて自分達のトレースも消えてゆき登ってきたルートが見えなくなっていた。

自分の後ろには白い世界があるのみである。

これはヤバイと思った。早くくだらないと下山ルートを見失う。

少し先を登っていた息子を呼び戻しすぐに降り始めたが、

広場が見えるあたりまで下るまではルートがわかりにくかった。

頂上近くでトレースが少なくなったのはホワイトアウトで引き返したバーティーが

多かったのであろう。

ある程度くだれば頂上付近を覆っていた雲の外に出て風も弱まり、

回りの視界が開けてきた。


1706426312944
 ホワイトアウトのなかの焼岳南峰、頂上はすぐそこだったが引き返した。


広場に着いてアイゼンを外し簡単な食事を摂って下山。

雪の樹林を2時間ほど下って3時40分中の湯に戻る。

頂上は踏めなかったが頂上のすぐ下まで行っているので今回の山行はこれで良しとする。

冬山は天気次第、天気には勝てない。

それにしても中の湯はいい。

ここの温泉は無色透明な温泉である。

去年来た時、雪に包まれた露天風呂を見たせいか温泉が白いイメージがあった。

人間の記憶って結構いい加減なものである。

濁り湯ではないが中の湯の温泉はいい。

雪と森を眺めながらゆっくり温泉に入る。

夜は酒三昧。

翌朝起きてみれば雲一つない好天気である。

穂高の吊尾根が綺麗に見える。

去年もそうだったがここに来る度に最終日が一番天気がいいのは何故なのだろう。

来年また冬の北アルプスを歩きに中の湯に来よう。


DSC_1554
 最終日、中の湯のロビーから穂高連峰


DSC_1555
 中の湯

能登半島地震 税制上の支援

能登半島地震が起きて3週間経った。

インフラが復興せず、避難所での生活を余儀なくされている人たちが今も大勢いる。

被災した人たちのために税制上の支援が幾つか打ち出されている。

5年分の確定申告については石川県と富山県については申告期限が延長される。

611日以降のすべての申告・納付についての延長なので確定申告だけでなく、

他の申告・納付も延長である。延長される期限は発表されていないが、

状況が改善するまでは延長するだろう。

災害によって損害を受けた場合にその損害を所得から控除する雑損控除についても、

令和5年分の所得から控除できるよう法律の改正案がだされる。

本来、令和611日に起きた地震による損害は令和6年分の所得から控除される

のだが、それでは減税の効果を受けられるのは令和7年になってしまう。

被災者支援のため、すぐに減税効果を受けられるようにするため、

令和5年分の所得に遡って控除できるようにしようということである。

県外に避難している人もいるだろう。申告は住所地を管轄する税務署だが、

電子申告でできるので地元の税務署に行かなくても大丈夫である。

電子申告をしたことのない人も各地の税理士会に問い合わせしてもらえれば

対応するだろう。

我々税理士がこういうときに出来ることは少ないのだが、

被災地の復興を願ってやまない。


DSC_1537
  花を買いに行く
 

 

京都 2

京都2日目、寺町を歩いて本能寺へ。

それにしても寺町というだけあって、この界隈、寺が多い。

寺町通りが御池通りにぶつかるところに本能寺はある。

といっても信長が討たれた本能寺ではない。

当時の本能寺はもう少し南の方にあった。

本能寺の変のあと再建されたが、そのときにこちらに移されたらしい。

門を潜ると正面に本堂があり、その右奥に信長公廟がある。

信長の骨は本能寺の猛火のなかで焼けてしまい見つからなかった。

ゆえにここは墓というより信長を祀る場所である。

人間というのは大抵、自分の生まれた時代の制約から逃れられないものだが、

信長という人間は時代をやすやすと超越してしまったように思える。

NHKの大河ドラマなどに何十回と出てくる信長であるが、

本当の信長というのはどういう人間だったのだろう。


DSC_1512
  本能寺

DSC_1513
  本堂
DSC_1514
  信長公廟

本能寺を出て鴨川の方に歩く、幕末に尊王攘夷の浪士と新選組が切りあった池田屋の

前を通り少しいけば三条大橋、ここから鴨川を南へゆき祇園へ。

花見小路を抜けて若い女性達で混んでいる安井金比羅宮、そこから少し行けば

八坂の塔である。なんとなく歩いてきたがふと見ると八坂の塔の入り口が開いている。

ここは閉まっていることが多い気がするが、開いているのでひさしぶりに入る。

昔は法観寺という飛鳥時代からの大きな寺であったらしいが、

応仁の乱で焼けてしまい、今は塔しか残っていない。

この塔、なかに入ることが出来て急な階段で二階に登ると小さな窓から京の街を眺める

ことが出来る。昔、京が荒れた時代にはこの塔に悪党が潜んで、小さな窓から

狙う家屋敷を物色していたかもしれぬ。そんな空想が出来て面白いところである。

昼過ぎの新幹線で帰るので、しばらくその辺を歩いて京都駅に戻る。


DSC_1520
  八坂の塔

DSC_1523
  塔の中、二階に登る階段はかなり急である。
DSC_1521
  二階の小さな窓から京の街

歩いていたら風花のように雪が舞ってきた。

帰りの新幹線、関ケ原のあたりは雪かもしれぬ。

京都駅で土産と今日の夕飯にいづうの鯖寿司を買って帰った。

そういえば、いづうの鯖寿司、ウクライナの戦争から始まった物価高で、

値段を据え置いているが大きさが小さくなってしまったのがちょっと残念である。

プーチンはウクライナに攻め込んで日本の鯖寿司を小さくした。

次に京都に来るのは短歌結社の全国大会で今年の9月あたりかな。

 

 

 

京都 社員総会

22日までの源泉事務に追われてブログを書く暇がなかった。

先週の話だが、短歌結社の社員総会で京都に行ってきた。

社員総会そのものはシャンシャン総会なので別にどうでもいいのだが、

総会のあとに講演会をやる。仕事に追われて歌会に出ることもままならなくなった

今日この頃だが、短歌との接点を失いたくはなくて、

結社の社員総会や全国大会はなんとかして出るようにしている。

ひさしぶりの京都、ネットで調べると、

一月最初の週末は七草粥を振る舞う神社があるらしく、

調べたら若一神社がそれをやっているというので午前中そこに行ってみた。

新幹線で京都、そのあとJRで九条。

若一神社は平清盛の別邸の跡に建てられた由緒ある神社であるらしいが、

今は市街地のなかの小さな神社である。

で、行ってみたら七草粥はしていなかった。

鳥居の脇に「七草粥は奉仕していません」という張り紙があった。

社務所の人に聞いてみたら七草粥を手伝ってくれる人たちが

80歳~90歳で出来なくなったのだという。

「若い人が手伝ってくれれば」と言っていた。

なるほど、そういう感じで伝統が消えていくんだろうな


DSC_1497
 若一神社

DSC_1498
 鳥居、 鳥居の端に七草粥は奉仕していません、という張り紙がある。
DSC_1500
 平清盛像

午前中、若一神社で七草粥を食べてから社員総会に行くつもりだったのだが、

食べられなかったので錦市場の方のお粥の店に行ってみたのだが、

そちらも今日はお粥は売り切れということだった。

よっぽど今年はお粥に縁がない年なのであろう…(^^;

そんなことをやって時間がかかってしまい、

そのあと社員総会に行ったのだがとっくに終わっていて、

社員総会のあとの講演会だけ聞いた。

澤村斉美の「働く日々の歌」という講演と、

そのあとは2023年の歌集を読むという前田康子・千葉優作・中井スピカによる鼎談。

澤村の講演は自ら校閲女子をやっているだけあって面白い内容だったし、

鼎談は、よくこれだけ歌集を読む時間あるよなと感心させられた。

短い時間だったが、短歌と触れ合う時間がとれて良かった。


DSC_1502
 結局、七草粥は餅ぜんざいに変った。これがこの日の昼食

DSC_1503
 社員総会&講演会風景 出席者は30人くらいで少なかった。

そのあとは今日の宿泊のホテルへ。

京都で泊まるときはたいてい先斗町の近くに宿を取り、夕食は先斗町で食べる感じ。

この日もホテルにチェックインしてから先斗町へ。

先斗町はいつもより閉まっている店が多い感じだったが、

正月が過ぎてお休みの店が多かったんだろうか?

いつものように夕食を食べ、

いつものように先斗町の端のヌエストラカーサでテキーラを飲み、

いつものように木屋町の大豊で〆のラーメンを食べる、いつものコース。

旅に出かけてその地で気に入った店で飲むのは楽しい。

そのあとはほろ酔い加減でホテルに戻り、ぐっすりと寝た。


DSC_1504
 先斗町

DSC_1506
 おばんざいで飲む
DSC_1507
 先斗町の端のヌエストラカーサ。
 なぜか見つけてしまった先斗町でテキーラの飲めるバー。
DSC_1508
 とりあえずテキーラ
DSC_1509
 二杯目はマルガリータ
DSC_1510
 〆はヌエストラカーサの常連に教えてもらった一番京都らしいラーメン
 木屋町の大豊ラーメン。関西で味うすいかと思うが意外と濃い。


 

 

 

 

 

 

 

あの音は...?

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

元日は天気も良くて初詣に行ったりしてのんびり過ごしていましたが、

夕方、地震のニュースが入り驚きました。

被災した方々のご無事を祈ります。

 

3日、アーチェリーの射場に初射ちに行ってきた。

以前、射場が営業していた頃は2日が初射ちで獅子舞が来たりしていたのだが、

射場が営業を終了して有志で自主運営をするようになってからは、

特に初射ちというのは決めておらず、

正月に行き所のない連中が三々五々集まるという感じ(^^;

年始の挨拶をしてしばし雑談ののちコースを回る。

今年はしっかり狙って射とうとか、

毎年恒例のように思って結局変わらないことを思いつつ、

それでも一応新年の抱負を抱いてコースを回るわけである。

銀杏の葉が落ちて裸の枝が冬の空に立っている。

年の初めの清々しい雰囲気である。

一緒に回ったのは射場一のビッグマウスSと場違いなパルチアンショットをするM

そもそもパルチアンショットというのは馬上から振り向きざまに射つ射法で、

ローマと戦ったパルチアの騎兵が用いてパルチアンショットの名前が付いた。

高句麗の遺跡にもパルチアンショットをしている壁画があり、

騎馬民族がやっていた射ち方である。

それをなぜかMは馬に乗っているわけでもないフィールドアーチェリーで

パルチアンショットをするのである。

つまり的に対して後ろ向きに立ち振り向くように構えて矢を射る。

その効果のほどはよく分からんが、

毎年モンゴルに行って草原を馬に乗って走り回るMは、

あるいは自分のことを海を渡った匈奴の末裔くらいに思っているのかもしれず、

譲れないスタイルなのであろう(^^;;

コースを回り終えて下の練習場に戻ってくる最後の12番の射ち降ろしの的の

ところに来たところで、下で弓を射っている音が聞こえた。

矢が的に当たるバシッという音。

「誰か来てるね」と言いながら我々は45mの射ち降ろしを射って下の練習場に戻った。

誰もいなかった。

休憩所に入っているのかと思ったが、そちらにも誰もいない。

「確かに射っている音聞こえたよな

三人で顔を見合わせた。

ひとりが聞いたわけではなく三人とも聞いている。それも結構大きな音で。

しかし、誰もいなかった。

我々はそのあと昼飯を食べフツーに話していたが、

あの音はなんだったのだろう、ということはずっと気になっていた。

木が乾燥して罅が入る音というのもあるかもしれないが、

周囲はおおかた生木だし昨日は雨が降ってそんなに乾燥していない気がする

それに、確かに聞きなれた的に矢が当たる音だった。

亡くなった仲間が新年の挨拶に来たのかなとか、

冗談半分にそんなことを話していた。

用事があったので昼過ぎに帰ったが、昨年の暮れから始めたコンパウンドを少し

射ってから帰るというビッグマウスSに、

「気をつけろよ、射っているとき後ろから肩たたかれるかもしれんぞ」と言うと、

Sは笑っていたが笑顔の隅が少しビビッてた(^^;;;

ま、世の中には不思議なことがある。

世の中のことは全部説明できるんだと思っているより、

不思議なことがあるんだと思っている方が、

世の中深みがあっていいかもしれん。

さ、そんな世の中でまた今年一年頑張ろう(^^



DSC_1494
  45mの射ち降ろし 6・6・2
 新年そうそう6点が二本というのは凄いけどもう一本の2点は?
 ちなみに場違いなパルチアンショットよりいい点だった(^^;

DSC_1495
  場違いなパルチアンショットのMが射場の畑で超太い大根をゲット
 太すぎだろ...おまけに尻尾が付いているような...(^^;;

アーカイブ