休日、ふらりと浅草に出かけた。
どじょうを食べたくなったのである。
子供の頃、夏休みに祖母の家に行くと、祖母がたまに田圃で取ったどじょうを鍋で煮て
食べていた。それを見て食べてみたいなとは思ったのだが、食べたことはなかった。
短歌結社の歌会を浅草橋でやっていて、
その歌会に出るときは浅草あたりを歩き、そのあと蔵前を通って浅草橋に行っていた
のだが、途中、駒形にどじょうの店があり、夏休みに祖母が食べていたのを思い出し、
気になっていたのである。
で、夏の盛り、少しは精をつけてみようかと思い立ち出かけてみた。
地下鉄の浅草で降りて地上に出るとスカイツリーが見える。
東京の歌会も新型コロナで開かれておらず、この辺に来るのも久しぶり。
スカイツリー
蔵前の方にしばらく歩くと「どぜう」の看板が見えてくる。
駒形どぜうの浅草本店。
外見はかなり古い感じ、なんでも三月十日の東京大空襲で全焼し戦後建て直して再開
したというから結構古い建物なのだろう。入口左に名入りの赤い提灯が幾つか吊るされ
ていて、永六輔や林家三平の名前がある。
入ってみると、一階は座敷、二階はテーブル席らしいのだが既に一杯ということで、
一階に入る。
駒形どぜう
店の入り口左に名入りの提灯がぶら下がっている
店内見渡すと昭和そのままである。店員さん達の浴衣姿がいい。
早速、なべ定食を注文。
どぜう鍋、どぜう汁、田楽、御新香と御飯である。
酒は飲めないのでノンアルコールで我慢する。
ホントはどぜう鍋とかは酒飲みながらの方が美味いんだろうが仕方ない。
そう時間かからずに鍋がでてきた。
小さな七輪の上に底の浅い金属製の鍋が乗っかっていて、その上にどじょうが
びっしり並んでいる。上に牛蒡と葱を乗せてしばらく煮てから食べる。
夏休みに祖母が食べていたどじょう。
初めて食べたが柔らかくて泥臭さもなく、なかなか美味しい。
牛蒡と葱がどじょうによく合っていて、ぱくぱく食べてしまう。
なんというか庶民の美味しい食べ物という感じがする。
たぶん、昔、墨田川こと大川の周辺には田圃が沢山あって、そこで取れたどじょうを
普通に食べていたのが、どじょう鍋とか柳川鍋になったのだろう。
来る前に、暑い盛りに鍋はどうかなとは思ったのたが、気にならずに食べられた。
店も繁盛している。やはり暑い盛りのどじょうは精がつくというのはホントなんだろうか?
店員さん達の浴衣姿がいい
一階の座敷の端には小さな庭がある。座敷はお客さん沢山いたので写真は遠慮
どぜう鍋 当日の写真はピンボケだったので、店のHPから頂いた写真
祖母の記憶につながるどじょう、美味しく食べてお勘定。
店を出たあとは浅草寺のあたりをしばらく歩いて横浜に帰った。
今度は酒が飲めるときにどじょうを食べに行きたいと思う。