緊急事態宣言が再延長された。
現状ではやむを得ないのだろうが、
なにか釈然としないものがある。
テレビを見ていたら、今まで自粛要請に応じていた焼き鳥屋が、
これ以上は無理だということで通常営業を開始するというニュースがあった。
当然、罰金が科せられることになるのだが、
そうしなければ生きられないから営業するのである。
他のニュースではこう伝えていた。
「正当な理由なく休業の要請に応じない店舗には罰金を科すことになります」
正当な理由なく…。
そうしなければ生きられない、生きるためには店を開くしかない、
それは正当な理由ではないのか…。
新型コロナ対策での休業要請に応じた店には協力金が支払われる。
しかし、経営の実態を無視して決めた協力金の仕組みのために、
一方にはそれを受け取ってもやっていけない店があり、
一方には休業していれば店を開いているより儲かる店が出るという矛盾が生じている。
さらには協力金の申請をしてもそれが実際に入るまでにかなりの日数がかかる。
3月の休業の協力金がいまだ支払われていない店は沢山ある。
資金繰りは待ってくれないのである。貯えのない小さな店はどうしたらいいのだ。
支援にはスピートが必要なのである。
税理士としてコロナ対策の申請などの支援をしていて、暗澹とした気分になることがある。
感染拡大防止のために休業を要請するなら、
少なくとも生きられるだけの補償はしなければならないはずだし、
そういう法整備が出来ていなかったのなら、
新型コロナの感染が始まってから一年以上、なにをしていたのだろう。
国会でテレビのワイドショーみたいなことをしているヒマがあったら、
必要な法律を作ったらどうなんだ。
しかし、追い詰められている飲食店は、実はまだいいのかもしれない。
仕入れ先等の関連業者には補償らしい補償はない。
支援一時金や4月以降の月次支援金、そんな少額なものでどう生き残れというのか?
従業員の給料は雇用調整助成金で払っても固定費はそれだけではない。
どうやって雇用を維持するのか?
新型コロナ以来、女性の自殺が増えたのはなぜだと思っているのか。
どれほど多くの若者が勉学を諦めたと思っているのか。
社会のためという名分で一部の人達に自分達より多くの犠牲を強いる、
そのことに気付かない、
そういう人達が実はこの国にはたくさんいるのだろうか。