2021年01月

金剛力士像

怒るべきものを怒れといにしえの金剛力士像ひとつ立つ

                      / 窪田章一郎『雪解の土』

 

NHK短歌の1月号を読んでいたらこの歌が目にとまった。

「怒るべきものを怒れ」

この当たり前のことを、世の中で生きていると忘れることがある。

忘れるというより、怒らないことが大人の態度だという風潮が世の中にはあるのだが、

実のところそれは処世術でありこそすれ大人の態度ではない。

この辺勘違いした向きは結構いるわけで、

私も歌会のあとの飲み会で、そういう大人講釈を聞かされたことが何度かある(^^;

怒るというのはエネルギーがいるのである。

怒らないでいる方がエネルギー使わないですむわけで楽なのだが、

大人は怒るべきときは怒らなければならない。

いつのまにか怒るべきときも怒らないでいる自分がいる。

それはその方が楽なのかもしれず身に沁みついた処世術なのかもしれない。

 

面白い歌である。

それはそれとして、この歌が目にとまったのは、

実は似たような歌を自分が詠んでいたからである。

 

怒らない日本人なんか嫌いだと金剛力士像夕暮れに立つ

                       / 関野裕之 『石榴を食らえ』

 

似ているので驚いた。

念のため書いておくが、私がこの歌を詠んだとき、窪田章一郎の歌は知らない。

私の歌は奈良の法隆寺の金剛力士像から着想を得たものだった。

古代の芸術の素晴らしさを目の当たりにしたとき、

ミケランジェロのダビデ像にも比肩する芸術を生み出した古代の日本人から

現代の日本人に思いを馳せて詠んだ。

そういう意味であるいは私の歌の方がちょっと政治的なニュアンスは

感じられるかもしれない。

窪田章一郎がどういう着想から「怒るべきものを」の歌を詠んだのかは知らない

のだが、あるいは似たような着想からかくも似た歌が詠めるものかと、

ちょっと驚いたのである。


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  今日の射場、昨年一杯で営業を終えて今年からクラブで運営している。
 下の練習場の片付けもすすんできた。一番左側の30mの的だけ残して、
 他は片付ける予定。

 

雪山

雪山は不思議だ。

遠い雪山を見ていると若い頃のことを思い出す。

勉強もせず山を登っていた頃。

重い荷を背負い深い雪を掻き分けて高みを目指した。

非日常の世界にいる自分が誇らしくもあり嬉しかった。

これから自分がどういう人生を生きるのか当然知るよしもないのだが、

雪の頂きに立ったとき妙な自信を持って下界を眺めていた。

根拠のない自信、それは若者の特権である。

あの頃からどれほどの歳月が流れただろう。

夏ならば緑の塊に覆われて凡庸な膨らみにしか見えない山も、

雪を抱くとひとつひとつの山襞が浮き上がりくきやかに見える。

雪はひそめていたものを浮き上がらせる。

若い頃への思いは、決して幸せなものばかりではない。

くきやかな雪山を見たとき、苦い思いも悔恨もよみがえる。

もう一度、あの雪山に登ってみたいと思う。

若い頃の体力などあるはずはない。

しかし、もう一度、深い雪を掻き分け高みを目指す自分を思い浮かべたい。

たとえ高みに辿り着けなくても、

そこを目指す営みには意味があるはずである。


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家賃支援給付金

新年早々怒鳴ってしまった(^^;

家賃支援給付金。

新型コロナの影響で家賃の支払いが困難になった中小事業者のために、

その負担の一部を給付する国の施策。

税理士会には経済産業省から顧問先企業の申請サポートの要請があり、

うちの事務所でも顧問先の申請に必要な資料を出したりしてサポートしている。

そのうちの一件について、昨年の暮れ、支援給付金事務局から

書類不備というメールがあった。

腑に落ちないので電話してみた。

内容的にはくだらないことでそれにも呆れたのだが、そのときの指摘事項のひとつに

申請人と家賃を支払っている人の名義が違うというのがあった。

先代が店をやっていて二代目が引き継いだような場合、店の賃貸借契約が先代の

名前のままで自動更新であらたな契約書は作っていないということは割とあるわけで、

そういう場合の証明書も出している。

家賃の支払いがその先代の名前でおこなわれていたのでそれを指摘してきたわけだが、

「契約の名義人の名前で家賃振り込むの当たり前でしょ、別の名前で振りこんだら、

なにかあったとき家賃支払っていないと言われたらどうするんだ。契約の名義と申請人

の名義が違う場合の証明書出してるでしょ」

と説明したら、それについては補正不要になった。

年があけて再び、書類不備のメールが入っていた。

しかも、去年の暮れ、補正不要と言っていた家賃振りこみの名義の件である。

仕方ないので電話した。

「どういうことだ、これ?

「先月補正したときにこの部分が抜けていたんですね、ですから、こういう書類を・・・」

「おたくはひとりひとり別々に仕事してんのか?  先月説明して補正不要ということに

なったんだぞ。人が変わると言うこと変わるのか? 家賃支援給付金事務局としてそういう

回答をしたんだろ。録音取ってあるんだろ、調べろよ」

「えっ、そういう話をしていたんですか?」

折り返し電話がきた。

「あの確認しました。ただ、申し訳ないのですが、やはり書類をもう一枚出して

いただかないといけないんですが

「するとあのときの担当者が嘘をついたんだな。嘘ついたヤツ処分しなよ」

「いえ、その、今回ちょっとイレギュラーで

話していてとうとうキレタ。

「イレギュラーかなにかしらんが、国民の税金から出てる予算から給料もらって

この出鱈目な仕事はなんだ。担当者が変わると言うことは違う。国民には嘘をつく。

中小事業者は新型コロナで苦しんでるんだぞ!  おまえらの出鱈目な仕事で給付が

遅れたり受け取れなかったところもあるんだろう!  なんだこのいい加減な仕事は!

「いえ、私達も一生懸命やっているんです・・・」

「一生懸命でこの出鱈目な仕事か!  仕事というのは結果なんだっ!

「いえ、ですから。すみません、もう一度審査と話してきます。必ず電話しますので」

その折り返しの電話、

「まことに申し訳ありません。今回確かに落ち度があったと思うのですが、どうしても

書類をもう一枚出してもらわないと

「なら、そちらから申請人に電話しなよ。事情を説明してこういう資料が必要だと言え。

自分達がミスをしましたとはっきり言って申請人に謝罪しろ。嘘をつくなよ、お前たちが

どういうふうに話したか俺は申請人に確認するぞ」

「わかりました。今回は申し訳ありませんでした」

電話が終わってもしばらく腹立たしかったのだが、

そのあと、申請人に電話してから再びうちに電話してきて再度謝罪してきた。

ま、気にはしているのか….

電話してきたのは審査担当ではない。あるいは派遣の社員かもしれん。

さりとて、新型コロナで中小事業者は苦しんでいる。

そういうときにこういう仕事をされると我慢ならなくなる。

杓子定規とかどうとかいうことではない。

担当者が変わると言うことが変わる。

何が売上台帳かも分からない人間が審査している。

一度説明して了解を取ったこともそのあと再び不備だと蒸し返してくる。

そんな調子で仕事をして、なにが「私達も一生懸命やっています」だ。

一生懸命やっていれば褒めてくれるのは学生までである。

冷たい言い方かもしれないが、仕事というのは結果だ。


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  もう蝋梅が咲いている

優勝

通っていたアーチェリーの射場が昨年で営業を終了し、

今年からは常連仲間で立ち上げたクラブで射場を運営していく。

で、記念すべきクラブ設立第一回目の射会、私が優勝(^^;

ま、ハンデに助けられての優勝である。

フィールドアーチェリーは弓でやるゴルフと言われるが、

山の中のコースを歩き、途中にある12の的を三本ずつ射っていき、

その点数の合計で競うわけだが、

ゴルフと同じようにハンデをつける。

そのハンデに助けられての優勝である。

もうひとつの理由はプランジャーを交換したことだろう。

ここしばらくどうも成績がふるわなかった。

射っても妙に右に飛んでいったりとかしていたので、

プランジャーの様子を見たのだが、たぶん、バネがいかれていたと思う。

射場閉鎖ということで、アーチェリーの備品の在庫を格安で売っていた。

定価3800円のブランジャーを30%1140円で買い、それを弓に付けて調整した。

結局それで優勝して賞金5000円の商品券をゲット。

1140円のプランジャーのおつりがきた(^^;;

射会のあとは焚き火を囲んで今後の話し合いを少し。

ビジターが来た時の対応、特に弓で怪我をしたときのための保険はどうするか、とか。

これからさき我々が射場のコースを管理運営していく。

来週の日曜は早速、練習場の小屋の解体とかいろいろすることがある。

大きな台風が来れば木も倒れるだろう。

いろいろ大変だと思うが、

人並み以上の熱意と人並みくらいの体力と人並みに近いくらいの知恵を寄せ集めれば、

なんとかなるだろう(^^;;;

頑張っていこうと思っている。


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  優勝の商品は商品券5000円(^^

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   射場の上の畑、ここの大根は美味しい。
 葉っぱは肉とかと一緒に炒めると美味しい酒のつまみになる。

あけましておめでとうございます

 あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

 さて、たいていの税理士の事務所は正月があければ仕事仕事仕事・・・である。

まずは年末調整、年末に終わってるんじゃないの? と思うのは素人さんで、

年内に資料が揃わないなんていうことは中小企業では当たり前、

それを正月明け早々に片づけるわけで、年末調整ならぬ年始調整である(^^;

さらに一月中には法定調書の提出、償却資産税の申告とすることが山積み。

今年の場合は、新型コロナの関係で、一定の要件を満たした場合、

償却資産税や固定資産税が減免される措置もあるので、

そちらにも目を配らなければならない。

それが終わればすぐに確定申告である。

新年早々、緊急事態宣言の話が出ているが、

今年の確定申告はどうなるのだろう?

それはそれとして、

いろいろ背負いこんで悲壮感を漂わせていてもしょうがないので、

正月、さくっとドライブに行ってきた。

昨年、若い頃のように走りたくなって買ったシビックハッチバック。

1国から湘南バイパスに入り箱根を目指す。

初詣も分散で言われているせいか、道は空いていて天気も良く、

海岸沿いの道路を気分よく走る。


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  海沿いの道、気分がいい

ターンパイクから箱根、くねくね道のターンパイクも久しぶりに走った。

ターンパイクを登ると富士と芦ノ湖が見える。

そこからさらに芦ノ湖スカイラインへ。

途中、景色を眺めなから美味しい昼飯を食べ、

さらに芦ノ湖の周りを走って帰ってきた。

どこに行くというわけでもなく、

ただ走ることを楽しむために行ってきた。

そんな感じ(^^

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  ターンパイクの上から 富士と芦ノ湖
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  芦ノ湖スカイラインから駿河湾
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  正月らしく富士山
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  シビックハッチバック ナンバーはゴールデンレトリバーのさくらの誕生日
 富士と一緒に撮りたかったのだが、余計なアベックがいつまでもどかない(^^

そういえば、ターンパイクでは黄色いメガーヌが目を引いた。

シビックハッチバックの発展型のタイプRFF最速を競ったメガーヌ。

安定した走りで素っ飛ばしていった。

残念ながらこっちは発展型のタイプRではなくフツーのシビックハッチバックである。

買うとき、タイプRにしようと言ったのだが、

仕事に使うなら冷静になれと息子に諭された(^^;;

2000ccのタイプRなら負けない気がするんだが(^^;;;

箱根や伊豆のスカイラインは新年早々、走りたいやつらがやって来ている。

まだ当分は海外には出られそうにないので、

今年は車であちこち走って楽しもうと思っている。

さて、それはそれとして、仕事である…(^^;


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