山岳会の仲間が癌で死んだ。
しばらく前に癌を発症、一度は治ったのだが転移したらしい。
退院したというので家に見舞いに行ったら顔が変わっていた。
自宅療養に切り替え、そのあとホスピスに入るという。そういう退院だった。
話すのも辛そうな状態だったので、長くいると疲れるだろうと思い、30分くらいで帰った。
家を出てしばらく歩いて振り返ると彼が見送っていたので手を振った。
一週間後、奥さんから電話があった。
見舞いに行ったあと一週間で死んだ。
本人は見舞いに行ったとき「今年一杯だよ」と言っていた。
本人も周囲もここまで早く死ぬとは思っていなかった。
若い頃、一緒に登った山の仲間。
山岳会の集会のあとは横浜の野毛で飲み歩き終電を逃したことも何度もあった。
あの頃は随分バカなことをやっていた。
そのあとも何十年、付き合いを続けた。
そういう仲間が、遭難で死んだり、病気で倒れたり、
ひとりふたりと減っていく。
それはもう仕方ないのだろう。
しかし、物事には順番がある。