週末、ちょっと走りたくなって諏訪に出かける。
東名から圏央道・中央道と乗り継ぎ2時間ちょいで諏訪に着く。
コロナで自粛していたが自粛も辛抱できなくなりGoToトラベルも始まって、
それなりに走っている車は多い。
諏訪インターで降りて諏訪大社へ。
諏訪大社というのは一か所ではなく上社の本宮、前宮、下社の秋宮、春宮がある。
今回訪れたのは上社の本宮と下社の秋宮と春宮。
まずは諏訪大社の本宮。
前にも来たことがあるのだが、着いた時間が早かったせいか人が少なくて雰囲気が良い。
諏訪大社の祭神は建御名方神、出雲の大国主命の次男である。
古事記では出雲の国譲りのときに国譲りに反対して戦い敗れて、
諏訪に逃げたということになっている。
古代、出雲の勢力、あるいは出雲と交易していた勢力は日本海沿いに広がっていた。
諏訪には建御名方神が出雲から征服者としてやってきたという神話があるらしく、
諏訪も日本海側から内陸に浸透した出雲系の勢力が及んでいたのかもしれない。
交易というのは余剰生産物があって可能になるわけで、
信州から諏訪にかけての地域は奴奈川姫の神話がある新潟糸魚川あたりに続く農作物の
供給地だったのかもしれない。
朝早いのでちょうど本殿では朝の祈祷をおこなっていた。
写真を撮ろうとしてふと見ると「祈祷中の撮影は遠慮してください」と書いてある。
その地の決まり事には従うのがルール、スマホは仕舞う。
開いたばかりの参道の店で朝食を摂り、下社の秋宮に向かう。
諏訪大社本宮の鳥居 鳥居の向こうに御柱が見える
温泉地の諏訪、手水にも温泉が流れている
本宮の本殿
本宮、秋宮、春宮、いずれもそう遠くないところにある。
秋宮の駐車場もまだそんなに混んでいなくてスムースに入れた。
本宮にはなかった大きなしめ縄が秋宮の神楽殿にはかかっている。
大きなしめ縄といえば出雲の神社なのだが、なぜ本宮にはなく秋宮にはあるのだろう。
古代、この諏訪でなにがあったのか、どういう勢力争いがあったのか、
こういう何気ないところにその背景が反映していそうな気がして、ちょっと気になる。
秋宮 神楽殿
秋宮 本殿
秋宮から春宮、ここもそう離れてはいない。
春宮は初めて来たのだが落ち着いたいい雰囲気だった。
参道にもそれほど店はなく静かである。観光客も少ないようだ。
ここの近くに万治の石仏がある。
春宮の鳥居を作るために石を切り出そうとしたとき、石に鑿をあてたら石から
血が出たということで石工達が恐れおののき工事をやめたという場所。
「芸術は爆発だ」と言った岡本太郎が絶賛したという造形である。
行ってみると、なるほど面白い造形である。
ちょっとフツーの石仏とは違う。
顔がいわゆる仏の顔ではない。モアイとか、そちらに近い顔をしている。
全体の造形としても大胆で、その辺が岡本太郎を惹きつけたのだろうか。
このあと、諏訪ガラスの里でガラス工芸を見て、すわっこランドで温泉に入って
のんびりして、高速を突っ走って横浜に帰った。