このブログでも8月に書いた税制改正。
配偶者控除の廃止という話があったが、
ここにきて、夫婦控除の創設という話が出ている。
つまり、配偶者控除を廃止して、
その替わり配偶者の収入に関係なく基礎控除と別に夫婦控除として38万を控除する。
そんな感じらしい。
103万の壁が女性の社会進出を阻害しているので、
配偶者控除を廃止すれば、もっと女性が働いてくれるだろうという話があったわけだが、
それだと配偶者が働いていない場合は増税になってしまう。
それで、配偶者控除を廃止する替りに夫婦控除という話になったのだろうが、
方向としては悪くないと思う。
ただ、減税方向の改正になるので、
財源をどうするのかという問題はあって、あるいはその関係か、
法人税の繰越損失の控除についての制限を拡大するという話も出ており、
現在、大企業だけに限定されているこの制限が中小企業にまで及ぶことになれば、
影響は大きいかもしれない。
それはそれで注視していかなければならないのだが、
仮に夫婦控除ができたとしても、
では、事実婚の夫婦はどうするのかとか、
少し話はずれるが、未婚の母の寡婦控除はどうするのかとか、
寡婦控除と寡夫控除の性による取扱いの差別はどうなんだとか、
他にもいろいろな問題があり、
税理士会が税のオピニオンリーダーを自認するなら、
社会のもろもろに目を向けたうえで、今後の税制の在り方について建議できるような
存在であって欲しいと思う。
「思う」と書くのは、つまりそういう存在になりえていないのではないかという印象が
あるわけで、実際、支部で税制改正の話をしても、白熱した議論って、あまり聞かない。
はっきり言って、そういう問題意識を持った税理士というのは少なくて、
経理屋というのか申告代行屋さんというのか、そういう人が多いのかなという気はする。
ま、周囲はどうあれ、税制のあり方にしろ、今かかわっている成年後見にしろ、
社会に目を向け、意識を持った税理士として、
来年も元気に動き回っていきたいと思っている(^^
今年の「つれづれ日記」への書き込みは今日で終わります。
来年は5日から業務を開始します。
今年一年ありがとうございました。
良い年をお迎えください。