ホテルで朝食を済ませ、山鉾巡行の時間を見計らって地下鉄で四条烏丸へ。
四条通りは車両通行止めで、巡行の準備をしている人達や警備・報道の関係者が大勢いる。
それで歩行者天国と勘違いするのであろう、
車道に入って写真を撮ろうとする観光客が結構いて、
「歩行者天国ではありません。車道に入らないでください」と警官が繰り返し注意している。
観光客がひしめいている歩道を長刀鉾のところへ。
山鉾巡行の順番はくじで決まるのだが、先頭は常にくじ取らずで長刀鉾と決まっている。
交差点に差し掛かったところでその長刀鉾がゆっくり後ろに動き出した。
巡行出発の所定の位置に移動しているらしい。動くのを見るとやはり大きく見える。
準備中の函谷鉾
後ろに動いて所定の位置につく長刀鉾。交差する道路はこの間通行止め
所定の位置につき梯子をかけられた長刀鉾。稚児は強力に抱えられたままこの梯子を登る
テキトーなところに場所を取って出発の時間を待つ、巡行開始は九時半。
傍らの人が「京都は祇園祭で梅雨が明けるんだよ」と言っているが、
今年はとっくに梅雨明け、蒸し暑い。曇っていて直射日光がないのが救い。
やがて長刀鉾の詰所?から稚児が出てきた。
稚児は稚児社参の日以降は地面を踏んではいけないらしく、強力に担がれて所定の位置に
ついた長刀鉾のところへ。そのまま担がれて梯子を登り稚児が鉾に乗ると拍手が沸き起こ
る。いよいよ巡行開始、長刀鉾がゆっくり動き出す。見ていると稚児が身を乗り出して
鉾から落ちるような仕草をするのだが、稚児舞いであるらしい。
長刀鉾に向かう稚児
稚児舞い。稚児が身を乗り出している。
つづいて後ろの鉾も動き出した。
鉾と一口に言っても、傘を差した鉾や人形の乗った鉾などいろいろである。
その後ろからは大きな函谷鉾、これもくじ取らずで巡行五番目と決まっている。
さらにその後ろに続く。
どう見ても鉾には見えない、傘に見える。綾傘鉾
子供達に人気だったのが、この蟷螂山。仕掛けで動く
鶏鉾と後ろに続く巡行の列。
巡行に合わせてこちらも歩く。鉾の列はときどき前がつまるらしく止まったりするので、
結構ゆっくりである。河原町の交差点で巡行の列は北に方向を変える。
これが辻回しで、観光客が集まるところ。ともかく人が多い、警官が出て、
「立ち止まって写真を撮らないでください、すぐに通過してください」とさかんに言って
いる。山鉾巡行を追うように北上して御池通りへ。
この写真の少し右が河原町通りの交差点でそこで辻回し。
向こうの店は屋根の上で従業員が見物。仕事はあとです。
月鉾が来る
ちょうど京都市役所のところの交差点で再び辻回し。見応えがある。
河原町通りを北上してきた山鉾の列は今度は御池通りを西にゆく。
この御池通り沿いは有料の観覧席があるらしいのだが、
祇園祭の見物はここで終わり。
帰りの新幹線の時間もある。最後まで見ているわけにはいかない。
それにしても豪華絢爛な祭りである。関東の祭のような荒々しさはなく優雅そのもの。
このあと、巡行の列を離れて京都市役所の後ろの三月書房という、短歌関係の本を結構
あつかっている本屋に行き、フツーの本屋ではあまり売っていない歌集や評論を
まとめ買いして自宅宛に送ってもらう。
その後再び河原町通りに戻り、後祭りの山鉾の列を見送りながら四条へ歩く。
河原町の交差点まで戻り祇園の方に曲がり少し行ったところを左へ。
祇園祭の熱気とは関係のない静かな京都の路地である。
そこを少し行った先にある老舗「いづう」で昼食に鯖寿司を食べる。
ビールがなかったのが残念だったが、鯖寿司はなかなか美味かった。
昼食を終えてから祇園白川のあたりをしばらく散策し土産を買い、
嵯峨野、広隆寺半跏思惟像、石見神楽、祇園祭と、結構盛り沢山だった夏の京都旅行を
終え、午後の新幹線で帰路に着いた。
鯖寿司の老舗「いづう」。
暖簾があるだけなので初めてだと、一見さんお断りの店かと思ってしまう。
「いづう」から少し路地を行ったさき、祇園白川の流れ。
6月に巽橋で放生会がおこなわれる。