言語化を拒まれているかなしみがぼくに食べさせるペヤング超大盛
/ 塔五月号 朝野陽々
歌を詠む人間なら自分の思いや表現したいことをうまく言語化できないときの
苦しみは知っている。
この作者はその苦しみのあげくにペヤング超大盛をヤケ食いしている。
読んで思わず笑ってしまった。
なんらかの感動なり情念なり、そういうものを言葉に置き換えて人に伝える。
あるいは美しい風景を見たとき、どうすればその美しさを言葉にして伝えられるか。
感動しているのにそれを言語化できない。詩として昇華できない。
言語化することの難しさに、歌を詠む人間は常に直面し苦しむわけである。
苦しんだ末に一首も歌を作れずいつのまにか寝てしまったことが何度あっただろう。
作者はその苦しみの末にペヤング超大盛をヤケ食いしているわけだが、
「ペヤング」というのが、いささかこういう表現に似合うツールのようで、
その辺はもう少し推敲できるのかもしれない。
しかし、それはそれとして面白い歌である。
作者は若い人のようだ。
若いヤツは苦しめ(^^;
苦しんで苦しんで苦しんだだけ大きくなれるだろう。
表現と格闘しなければいい表現は生まれない。
ちなみに、言語化能力を高めるためには、
インプットを増やすのが大切な気がする。
漠然と感性に頼るのではなく、
語彙を増やし知識を増やし、世界を知り人間を知る。
そういうインプットが大切である。
そういえば最近、忙しさにかまけてインプットが減っている気がする。
自戒してインプットに努めようと思う。
先日の射場 使わなくなった練習場の隅を畑にしようと耕す
なんとかいうベリーを植えた
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