ここ数年、秋に上高地に行っている。
去年は奥穂に登る予定だったが、台風が近づいたため諦めて横尾に泊まり、
翌日、涸沢まで登って紅葉を見てきた。
今年も奥穂を予定したのだが、やはり初日に雨が降り、昨年と同じ横尾泊まりにする。
どうせ時間があるので上高地の手前の大正池でバスを降り、湖畔の道を歩く。
河童橋までⅠ時間くらい。
そこから横尾まで歩くのだがだんだん雨と風が強くなり、
この天気で上に上がれなかった登山者が集まったらしく横尾山荘はかなり混んでいた。
大正池 水面から出ている枯れ木が昔より減った気がする
横尾への道の途中で出会った猿の群れ、このあと続々とやってきた。
雨の中、横尾山荘着
翌朝の5時、小屋の外に出てみると天気は回復し、小屋の上にオリオンが傾いている。
支度をして6時過ぎに出発。今日一日で奥穂を越えて上高地というのは時間的に無理
なので、予定を変更し、蝶が岳に登り、そこから徳沢に下り上高地に戻ることにした。
蝶が岳は常念の南の2677mのピーク。槍穂高連峰の恰好の展望台である。
横尾山荘から裏の山に登る感じで樹林の道を登る。
3時間半くらいで稜線に出て振り返ると、槍と穂高の連峰が目の前にある。
まさに展望台。
槍沢と槍ヶ岳、北穂、奥穂、前穂が手に取るように見え、涸沢の紅葉も上の方が少し見える。
稜線を歩き、蝶が岳ヒュッテでしばらく休憩して蝶が岳のピークへ。
常念、蝶が岳の稜線の西側には槍と穂高の連峰、東側には雲海という見事な風景。
見飽きない風景をいつまでも見ていると上高地に降りられないので、
テキトーに切り上げて徳沢に下る。
この下りが結構長くて疲れた。
3時間くらいで徳沢に降り、そこからは平坦な道を上高地に戻る。
蝶が岳の稜線から 槍と穂高の連峰
蝶が岳の頂上から 常念岳と東側の雲海
蝶が岳の頂上から 向こうに槍沢とその奥に槍ヶ岳
上高地では河童橋のたもとの白樺荘に入り、
風呂で汗を流し、部屋の窓から穂高の吊尾根を眺め、のんびりと酒を飲む。
これがたまらない。
実のところ、奥穂を登るだけなら一泊二日でも行けるのである。
一日目に横尾から涸沢を経て穂高岳山荘まで登り、
翌日、奥穂を越え吊尾根を経て前穂から岳沢に下り、そのまま夕方のバスで上高地を
出ればいい。若い頃なら当たり前にそういう山行をするわけだが、
ある程度の年になると、ただ登るのではなく、山で過ごす時間を楽しみたくなる。
ここ数年は上高地での定宿の白樺荘の部屋の窓から穂高を眺めながらのんびりするのが
習いになった。こうなると、それを組み込んでのスケジュールを考えないとならないので、
奥穂に登るにも二泊三日必要になったりするわけである。
山屋としては堕落であるが、
穂高を見上げ、若い頃の登高に思いを馳せながら酒を汲む堕落は気分がいい(^^;
さて、来年は奥穂に登れるだろうか。
別に登れなくてもいいのだ。
こうやって一年に一度、上高地を楽しめればそれでいいのである。
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