リタイヤして下田に住んでいる友人ともう一人、それに自分を加えて三人、

一年に一度は旧交を温めてどこかに行こうということで、

昨年は四国の剣山に行き、

今年は以前から計画していた青森の岩木山に行ってきた。

5月は法人の3月決算の申告で忙しいのでそれが終わった6月最初の週末。

羽田から青森、レンタカーで岩木山へ。

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  青森空港から岩木山へ

岩木山は日本百名山のひとつ。

津軽岩木スカイラインが八合目までのびていて、さらに登山リフトが9合目まで

かかっている。殆ど登るところないじゃないかという感じで頂上の下まで行ける。

頂上までフツーに歩いて40分くらいだろうか。

若い時分なら、こんなの山登りじゃないよなと思うわけだが、

人間ある程度の年になると丸くなるもんで、

手っ取り早く登れるところはそれでいいじゃんと思えるようになる(^^;

最近多い真面目な百名山マニアではないので、

手の抜いたような山歩きも全然気にしない(^^;;

リフトを降りて登り始めるとすぐに残雪に覆われた火口がある。

登山道の脇には高山植物が咲いていて綺麗だ。

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  タカネザクラ
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  ミヤマキンバイ
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  ミチノクコザクラ

岩がごつごつした斜面を上がっていき、左に回り込むように登ればすぐに頂上である。

頂上には避難小屋がある。

昭和39年、秋田県大館鳳鳴高校山岳部の部員5人が冬の岩木山に登り遭難、4人が死んだ。

そのとき彼等は頂上の避難小屋に入ったが下山を決意、

吹雪のなかでルートを見失い次々と動けなくなった。

彼等は天候が回復するまで避難小屋を出るべきではなかったのだが、

小さな頂上の小さな避難小屋を見ていて、

若い彼等が下山を選んだのが分かる気がした。

動かないという決断は時に勇気がいる。

吹雪のなかの小さな避難小屋で動かずにいる恐怖と、

吹雪のなか下山を決行する恐怖。

若い彼等は下山することを選んだ。

経験のまだ乏しい彼等の判断ミスを責めるのは酷だろう。

それにしても天気の良い岩木山からの眺めはいい。

眼下には津軽の平野、西には日本海とその海岸線、南には世界遺産白神の山なみ。

本州中部の山岳地帯とは違う広やかな風景がある。

55年前、この山で悲劇があったことを想起するのが難しいくらい美しい景色である。

リフトの最終に間に合うように下山。

帰ってから試しに数えてみたら63座めの百名山だった。

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  頂上の避難小屋 向こうに日本海
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  頂上の鳥居と眼下の津軽平野
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  白神山地
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  下山してホテルの窓から岩木山 南面は雪が少ない