2020年03月

プランだって?

確定申告について相談の電話がかかってきた。

なんでも今回の申告で消費税の負担が昨年より増えるということで、

頼んでいる税理士から文書で対策の提案があったらしいのだが、

よく分からないので別の立場から見て欲しいということ。

話を聞くと、材料費の相殺があったということにすれば消費税が減ります、という

ような提案だったらしいのだが、

それ、どういうことだ?

簡易課税を選択しているということなので、

おそらくは簡易課税の事業区分を変えることで消費税負担を減らすという話だろう。

材料を負担しないで仕事をしているなら事業区分は「第四種」で売上の40%について

消費税課税、材料を負担しているなら「第三種」で売上の30%について課税である。

10%変わることで消費税の負担も変わるという話だと思うのだが、

しかし、昨年分の申告をするのに、

過去に遡って材料の相殺があったということにするというのは、どういうことだ?

昨年の取引は既に終わっているではないか。

あとは取引の事実に従って申告をするだけである。

今後のこととして、こういう仕事の仕方に変えれば、これだけ負担が変わりますよ、

というのなら分かるのだが、

既に取引が終わっているものについて実際にはない材料の相殺があったことにすると

いうのは取引の仮装だろう。それで消費税の事業区分を変えるというのは、

意図的な脱税である。

相談者にはその旨伝えた。

それにしてもこんな脱税プランを出してくる税理士って、どういう税理士だ?

しかも文書でAプラン、Bプランと複数のプランを出してきたらしい。

聞いた名前でネットで調べてみたらHPがあった。

横浜の某税理士法人、30人くらいスタッフがいるらしい。

ふ~ん。立派に構えていてやっていることはこんなもんか。

こういう連中は税理士バッチを外すべきだろうな。

DSC_0413
  税理士会支部の幹事会、コロナのために出席者少ない。
今年は総会も懇親会なしでやることになるかもしれない。
いっそのこと、全員委任状で無観客試合ならぬ無出席総会というのもありかな(^^;
 

香港

短歌結社の3月号が届いた。ぱらぱらと捲ったら自分の歌が目にとまった。

 

  『進撃の巨人』のような香港をぬるい焼酎飲みながら観る

 

  林鄭月娥を月蛾と書きし日本のマスコミありて今日は満月

 

暴力の他に術無き暴力を悲しみてあれ 悲しみて美し

 

岸上はいかに詠うや我らいまファシズムの勝利見つつあること

 

この国の晩秋に 安保語りし者達の沈黙 香港加油

 

香港の自由は危機に瀕しているわけだが、

コロナウイルスはその危機を覆い隠してしまった。

昨年暮れあたりまでの香港の状況を覚えている人はどれほどいるのだろうか?

報道されなくなったからといって香港の自由の問題が解決したわけではない。

あるいはこれから先、コロナウイルスに人々の目がいっている間に、

香港の自由はさらに危機的状況に陥るのかもしれない。

目の前にあるものしか見えない向きには、

そういうことは分かっているのだろうか。

ちなみに今回の一連、

1首目は『進撃の巨人』の漫画を知らなければ分かりにくいだろうし、

2首目は中国神話の嫦娥を知らないとマスコミのただの書き間違い以上には

歌が膨らまない。

3首目は斎藤史の「暴力のかく美しき世に住みてひねもす歌うわが子守唄」を

心の隅に思い浮かべてほしいし、

4首目の岸上大作については言うまでもない。

目の前にあるものだけ見ていては世の中も短歌も見えないと思うのである(^^;


HKDEMODSC00111_TP_V
   2019年6月 香港デモ

プチ湯治 伊豆冷川温泉

腰痛対策のプチ湯治。

もう腰は痛くないんじゃないかと言われるのだが、

やはり仕事をしていくためには体を大切にしないといけないし、

なにより、一度手に入れた口実は手放さないという…(^^;

で、伊豆の冷川温泉。

東名から小田原厚木道路を経て箱根から伊豆スカイラインに入る。

伊豆は走り屋にとって楽しい道が多い。

伊豆スカイラインも相模湾と駿河湾が両側に見えて、走って気持ちのいい道である。

80kぐらいで気分良く走っていたら前の車に追いついた。

マフラーを交換したクラウンが時々爆音を響かせて前の車を煽っている。

同じく突っ走って楽しみたい向きとしては気持ちは分からないでもないが、

クラウンさん、あなたか煽っている前の車の時速50kというのは、

このスカイラインの制限速度だから、しょうがないと思うよ。

で、時々マフラーから爆音を響かせているクラウンの後ろにぴったり付いて

しばらく3台でつるんで走る。

DSC_0404
  伊豆スカイラインから大島と初島
DSC_0405
  同じ場所から反対側の駿河湾

冷川温泉は伊豆スカイラインの途中にあって、カーナビの案内でスムーズにホテルに

着いたのだが、着いて驚いた。三連休初日だというのに駐車場はガラガラ。

フロントで聞いたら、コロナウイルスの関係でかなりのキャンセルがあったとのこと。

う~ん、ついついビジネスマンの視点からものを見てしまうのだが、

これはかなり危機的状況だな

公平とか不公平とかいうことはとりあえず別にして、

影響の大きいところには大規模な支援をしないと、

観光業が経済や雇用にかなりの比重を占めるところでは

地域の死活問題になりかねないね

そんなことを考えながらとりあえず湯治。

温泉に入って痛めている腰を温め、部屋に戻ったら持ち込んだPCで書き物をすると

いうことを繰り返す。部屋の窓からは富士山が綺麗に見える。

DSC_0406
  ホテルの窓から富士山
DSC_0407
  ホテルの駐車場はガラガラ

翌日、再びスカイラインを少し走って途中から東海岸に降りる。

伊豆は東京みたいに桜はソメイヨシノだけというところと違っていろいろな桜が咲く。

2月あたりから河津桜、熱海桜、大寒桜、大島桜と次々と咲いて、

桜が好きな向きは伊豆に行けば東京や横浜よりひと月早く桜を楽しめる。

菜の花と桜の咲いている道を走り、海岸沿いに横浜に戻る。

途中、石橋のインターの手前にある鈴廣で土産を買う。

ここで売っている小田原こゆるぎの干物が美味い。

伊豆に行った帰りは大抵ここで土産に干物と箱根の地ビールを買って帰るのである。

DSC_0411
  こゆるぎの干物、スーパーで売ってる干物と比べるとちと高いけど美味しい

なんとかならあな

「先生、借りられました!  これで乗り切れます!

「そうですか、良かったですね。頑張ってください。遅れているうちの報酬もよろしく」

しばらく仕事が薄かったクライアントからの電話。

日本政策金融公庫からの融資が受けられることになった。

ちょっと厳しいかなと思っていたのだが無事に審査を通った。

日本政策金融公庫、昔の国民金融公庫だが、

今は株式会社になり民間の金融機関になっている。

と言っても100%国の出資だから、半官半民みたいなもので、

今も国の政策を反映した融資をしている。

このところの経済の状態で、国は中小企業への支援を強化していて、

融資も積極的である。

コロナウイルスの影響は最初思った以上に広がりを見せており、

それは観光業や飲食業ばかりではない。

客が入らなくなったということで店の新設を見送るところも出ているし、

中国の工場からの部品の納品がとまり工場が動かない、あるいは、

人の動きがとまり、新しいプロジェクトが進まないという話もある。

建設業、製造業あらゆる業種に影響は広がり始めている。

致死性のウイルスではないのだが、

今のまま長期化すれば経済にとっては致死性のウイルスかもしれない。

もっとも悲観することばかりではないだろう。

いずれ有効な薬が出来れば、

風邪の一種みたいなもので、人々はあまり気にしなくなるだろう。

ただ、それが三か月後なのか半年後なのか一年後なのか見通せないのが、

嫌なところではある。

いずれにしろ危機は乗り越えなければならない。

危機にあってはアンテナを高く張って情報をしっかり集めることである。

コロナウイルスの影響で売上が落ちているところには信用保証協会が

通常の融資額の80%保証ではなく、100%保証を実施している。

また、国税はコロナウイルスの影響で納税困難になった納税者に対し、

一年以内の納税猶予を開始した。

雇用調整助成金なども拡充されている。

使えるものはなんでも使い、危機を乗り切ることである。

そして、あともうひとつ大切なのは、

人事を尽くしたら、あとは「なんとかならあな」と開き直っていることである。

コロナウイルスで売上が減ったと嘆いて暗い顔をしていてもしょうがない。

そういう時、人間は後ろ向きになる。

後ろ向きになっていい結果は生まれないのである。

昔、江戸っ子は「宵越しの銭は持たない」と見栄を張ったそうだが、

それは嘘で、大抵の場合は宵越しの銭が持てるほどの稼ぎがなかったのである。

しかし、それでも江戸っ子は「なんとかならあな」と開き直って明るく日々を過ごした。

開き直って前向きでいる姿勢は危機にあっては大切である。


DSC_0394

   アーチェリーの射場、今年最初のタケノコ

確定申告打ち上げ

確定申告が終わっての打ち上げ。

今年の確定申告は新型コロナウイルスの関係で申告期限が一か月延長されたが、

たぶん大抵の税理士はそれは関係なく当初の期限の315日で終わらせるように

仕事をしているはず。確定申告で他の仕事は止まるわけで、

315日以降、その止まっていた仕事を片づけなければならない。

申告期限が一か月延長されたからといってのんびりしていれば、

止まっていた仕事が押し寄せてくるだけである。

「一か月延長されたんですよね~」という顧問先もいて、

そういうところは315日以降に先送りだが、

13日金曜日現在でだいたいのところは終わらせて、事務所の打ち上げである。

5時で仕事を終わらせ、たまに行く蕎麦屋に行く。

ところが7時からライブがあるとかで、通常の席は満席。

店の外のオープンスペースを囲ったところなら空いているというので、そちらへ。

結構しっかり囲っているので全然気にはならず、寒いだろうということで、

近頃珍しい湯たんぽをひとりひとりに出してくれるのだが、それほど寒くもない。

で、まずは乾杯。

DSC_0396
 膝の上に湯たんぽのせて飲んでいるが、それほど寒くはない

この蕎麦屋、日本酒やウイスキーも置いていて、テキトーに飲んで楽しむのにいい店である。

ビールで喉を湿らせたあとは日本酒、

やはり新潟の日本酒はすっきり喉をとおっていい。

それが物足りないという人もいるが、やはりいいものはいいのである。

そのあとはイチローズモルト。

一杯で2000円とか3000円とか言われてもよく分からんのだが、

ま、美味いんだろうな(^^;

DSC_0398
 イチローズモルト、酔えばみな同じだと思っている人間なので、
 このグラスで2000円ね...と思ってしまう(^^;;

テキトーに飲んで締めは板そば。

飲んで食べて隣りに座った綺麗どころの話などに時々聞き耳たてて(^^;;;

楽しいひと時を過ごして帰る。

もっとも、楽しいのはひとときで、月曜からは確定申告で止まっていた仕事を

一気に片づけなければならない。

ま、かれこれ30年以上、こんな感じで仕事をしている。

それにしても今年は桜が早いようだ。

帰り道、桜の枝につぼみが膨らんでいた。

 

南こうせつの「時はながれて風が吹く」

この歌が流行ったのがいつ頃だったか覚えていないが、

若い頃には既に聞いていた気がする。

 

 時は流れて風が吹く

 思い出運んで風が吹く

   希望に燃えた青春の

  かおりを運んで風が吹く

 

   なにかに憑かれて突っ走る

   なにかを思って身を焦がす

   それがなんだかわからない

   求めたのにつかめない

 

   輝く波の彼方まで

   飛んでゆけそうな気がしてた

   あなたは僕を愛していたし

   僕はあなたを愛してた

 

   洗いざらしのブルージーン

   人待ち顔の若者が

   「今でも飛んでゆけますか」

   まぶしい笑顔で問いかける

 

   思い出ばかりにとらわれて

   ため息つくのも悲しくて

   あの日に燃えた希望と夢を

   も一度心に灯してみよう

 

今年に入って、なぜか脈絡もなく若い頃の恋を思い出した。

勉強もせず山にばかり登っていた学生時代が終わり、

税理士になろうと勉強を始めた。

安い給料で働きながら、仕事が終われば夜遅くまで勉強する、

そういう先の見えない受験生活を始め、

同時に、ハンデのある人間がどうやって身を立てていけばいいのか、

どうすれば人生を切り拓けるのか思い悩んでいた。

その頃、好きな女性がいたが、そんな日々のなかでいろいろあって、

愛情とわだかまりがないまぜになったような気分のまま会わなくなった。

時が経てば、わだかまりを作ったのも、思い悩んだまま言うべきことを

言えなかった自分の意気地のなさが原因だと分かるわけだが、

23くらいの若造には、わだかまりを越えられなかった。

そういう意気地なしは結局、

ハンデのある人間でも人生を切り拓くことが出来るということを示したときには、

好きだった女性はもういなかったという笑える落ちになるわけである。

今振り返ると、思い悩んでいた日々の自分はまるで別人のように見える。

忘れていたわけではないが、

長く封印していたように思うことのなかった若い頃の恋が、

なぜ、なんの脈絡もなく脳裏に蘇ったのかは分からない。

それが蘇ったとき、

自分の意気地のなさを思った。

そして、若い頃の恋と一緒に、その頃から抱いていた夢も思い出した。

実現しなかった夢、というか、はなから実現するような努力をしていなかった。

結局それも一歩を引いた意気地のなさが根底にある。

もう一度、夢に取り組んでみたいと思った。

今から多くは出来ないだろう。

一番やりたいと思っていたこと、それに手を付けてみたいと思う。

仕事に追われているなかでどうやって時間を作るのか、そういう問題はある。

あるいは手を付けても形にすることは出来ないかもしれない。

しかし、努力して出来なかったということと、はなから諦めて出来なかったというのは違う。

目指さなければなにも始まらない。

若い頃の恋を思い出し、いい年をしてあの頃のように再び突っ走りたくなり、

そのための車を手に入れるようなことをしている。

それだけではただのアホである。

憧れていたことに手を付けよう。

もう意気地なしは御免だ。

長く抱いていた夢に取り組みたい。

もう一度突っ走ってみようと思う。


m0702

 

アーカイブ